「FE 20mm F1.8 G (SEL20F18G)」は、サイズと価格が手頃で、初心者でも最初に手が出しやすい超広角レンズです。
超広角レンズは「どれくらい使えるの?どんな画が撮れるの?」となかなか手を出しにくいものですが、20mmという焦点距離は写真での風景や夜景、定番の星景だけでなく、最近では手振れ補正を効かせた動画や自撮りなど使い道が広がっています。
このEマウント超広角レンズの中で人気のFE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)がおすすめなのは、次のような使い方をしたいあなたです。
最初に、カメラ歴15年でフォトマスター1級のしちみが使って分かったメリットデメリットを正直にまとめます。
メリット | デメリット |
・明るい超広角レンズなのに小さい・軽い ・超広角なのにしっかりボケる ・動画に使いやすい ・隠れGMと言われるほどの描写力 | ・使いこなすのが難しい20mm ・フォーカスブリージングが少し出る |
それでは、超広角レンズ「FE 20mm F1.8 G (SEL20F18G)」について詳しく見ていきましょう。
1.【SEL20F18G】FE 20mm F1.8 Gの仕様と特徴
名称 | FE 20mm F1.8 G |
型名 | SEL20F18G |
対応フォーマット | フルサイズ |
焦点距離 | 20mm |
レンズ構成 | 12-14 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
開放絞り | F1.8 |
最小絞り | F22 |
最短撮影距離 | 0.19m(AF時)/0.18m(MF時) |
最大撮影倍率 | 0.2倍(AF時)/0.22倍(MF時) |
手ブレ補正機構 | ー |
フィルター径 | Φ67mm |
サイズ | Φ73.5×84.7mm |
重量 | 約373g |
発売 | 2020年3月 |
2.【SEL20F18G】FE 20mm F1.8 G のメリット
ここからは実際に使って感じたFE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)のメリットを4つお伝えします。
詳しく解説します。
明るい超広角レンズなのに小さい・軽い
超広角になるほど前玉が大きくなってレンズのサイズは大きくなるのが常でした。
ところがこのレンズは小さく軽くまとめられています。
他社と比較してみます。
同じスペックで100g以上も軽いのは驚異的です。
超広角レンズは使いどころを選びますが、ついでにバッグに入れておいてもじゃまにならないのでいいですよね。
また、これだけ軽量だと、動画撮影にも適しています。
長回ししても疲れにくいですね
画質にこだわった自撮りやvlog撮影にもおすすめです。
超広角なのにしっかりボケる
一般的にレンズは広角になるほど背景がボケにくくなります。従来の超広角レンズは風景をダイナミックに撮る用途に適していますが、背景をぼかした作品は苦手と言われていました。
ところがこのレンズは、F1.8という明るさと、最短19cm(AF時)/18cm(MF時)まで寄れる近接撮影能力の高さで、被写体に寄って撮ると背景が想像以上にボケるのが特徴です。
これまではなかなか使うことがなかったスナップや物撮りでも使っていけるレンズです。
動画に使いやすい
20mmは最近の動画のスタンダードといってもいい画角です。
自撮りでは20mmが自然に手を伸ばして背景がしっかり入るちょうどいい画角と言われています。
またα7IVなどの手振れ補正アクティブモード使用時は、1.2倍にクロップされ画角が24mm相当になります。24mm相当は手持ち動画撮影時にベストな画角です。
関連記事:α7IVの手振れ補正アクティブモードを検証|クロップ倍率と効き具合
さらに、APSCクロップすると30mmとなり、標準に近くさらに馴染みのある画角になります。このように20mmというのは静止画も動画も使いやすい画角です。
関連記事:α7IVのAPSCクロップモードが超便利
隠れGMと言われるほどの描写力
このレンズはGレンズですが隠れGMと言われるほど描写性能が高いです。
それは、画面いっぱいに広がる星空の隅々まで鮮明に撮れるよう設計されているから。星景や夜景はもちろん、細かい描写の多い建築や山などの自然風景でも威力を発揮します。
人物や物撮りでも被写体を中央に置くと、高精細に撮れるため、周辺のボケ味との対比で印象的に写ります。隠れGMの描写力を体感できることでしょう。
3.【SEL20F18G】 FE 20mm F1.8 G のデメリット
ここからは実際に使って感じたこのレンズのデメリットをお伝えします。
FE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)のデメリットは次の2つです。
詳しく解説します。
使いどころが限られる20mm
20mmは動画では使いやすい画角ですが、静止画だけにしか使わないのであれば、やはり広角過ぎて使いこなすのは若干難しいといえます。
何気なく撮ると、電線や看板などの周囲の余計なものが入りがちなため、構図をよく考える必要があります。
また端に行くほどパースがついてひずみやすくなるため、人物撮影の際には中央に被写体を置く撮り方に限られます。端に持ってくると顔がひずんでちょっとおかしな画像になります。
このように20mmは撮影の時に少し気を付ける必要のある画角ですが、それだけにうまく撮れた時は20mmでしか撮れないダイナミックな魅力的な画となります。
フォーカスブリージングが少し出る
このレンズはフォーカスブリージングが少し出ると言われています。
静止画では気になることはありません。動画の時は画角がふわふわと動くように感じて、少し気になることがあります。
ただ、それも映像の品質にこだわったレベルの高いクリエイターの感想で、実際はほとんどの人には気になるほどではないはずです。
また、α7IVなどの最近の機種に搭載されている「ブリージング補正」機能を使うと、ほぼ完全にフォーカスブリージングを排除することもできるので、気になる方は試してみるといいでしょう。
4.【SEL20F18G】FE 20mm F1.8 G はこんな人におすすめ
以上のメリットデメリットを踏まえてFE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)がどんな人におすすめかお伝えします。
超広角レンズはなかなか手の出しにくいカテゴリですが、このレンズはサイズと価格がお手頃な割に写りや機能は本格派なので、誰が持っても後悔しないレンズです。
初心者の方からハイアマチュアまでおすすめの1本です。
5.【SEL20F18G】FE 20mm F1.8 Gの作例
ここからはFE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)の作例をいくつか紹介します。
6.まとめ:SEL20F18Gはコンパクトで隠れGMな超広角!
この記事では
- ソニー FE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)の特徴
- ソニー FE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)を実際に使って分かったメリットデメリット
をお伝えしました。
最後にもう一度このレンズのメリットデメリットをまとめます。
メリット | デメリット |
・明るい超広角レンズなのに小さい・軽い ・超広角なのにしっかりボケる ・動画に使いやすい ・隠れGMと言われるほどの描写力 | ・使いこなすのが難しい20mm ・フォーカスブリージングが少し出る |
ミラーレスカメラを使う意味の一つに、広い風景をダイナミックに撮りたい、スマホとは違った高精細な写真を撮りたい、という目的があると思います。
その目的をかなえるのが20mmの超広角レンズFE 20mm F1.8 G(SEL20F18G)です。
特に軽量なことで持ち運びやすくなり、動画も静止画もフィールドに持ち出してガツガツ使いたくなるでしょう。
今、Eマウントの中で超広角単焦点レンズを選ぶなら第一候補となるレンズです。
当ブログでは、他にもソニーEマウント(フルサイズ)のレンズを紹介しています。
ズームレンズ(広角・標準・望遠)、単焦点レンズ(広角・標準・マクロ)からコスパのいい神レンズをそれぞれご紹介しているので、撮影の目的に合ったレンズにきっと出会えます。