ミラーレスカメラを検討する際、α7CIIとα7IVのどちらを買うべきか迷われている人も多いのではないでしょうか?
両機種を使った経験から、次の5つの観点で比較をしてみます。
- 操作性
- 画質
- オートフォーカス(AF)
- 手振れ補正
- 動画撮影
最初に結論です。
写真をしっかりとりたいならα7IV
毎日持ち歩きたい or 動画メインならα7CII
ちなみに初めてミラーレスカメラを買う方には、価格も安いα7CIIがおすすめです。
では検証していきます。
1.α7CIIとα7IVのスペック比較
はじめにα7CIIとα7IVのスペックを比較します。
製品名 | α7CII | α7IV |
kakaku.com最安価格(※) | 248,363円 | 288,980円 |
発売日 | 2023/10/13 | 2021/12/17 |
撮像素子 | フルサイズ | フルサイズ |
有効画素数 | 3300万画素 | 3300万画素 |
連写撮影 | 最高10コマ/秒 | 最高10コマ/秒 |
シャッタースピード | 1/8000-30秒(電子) 1/4000-30秒(メカ) | 1/8000-30秒 |
液晶モニター | 3型(インチ) 103.68万ドット | 3型(インチ) 103.68万ドット |
ファインダーサイズ | 0.39型 | 0.5型 |
ファインダードット数 | 約236万ドット | 約369万ドット |
ファインダー倍率 | 0.7倍 | 0.78倍 |
製品名 | α7CII | α7IV |
撮影枚数 | 液晶モニター使用時: 約560枚 | 液晶モニター使用時:約580枚 |
スロット | シングルスロット SD | ダブルスロット 1:SD/CFexpress A 2:SD |
手ブレ補正効果 | 7.0段 | 5.5段 |
可動式モニタ | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 |
インターフェース | USB Type-C、HDMIマイクロ | マイクロUSB、USB Type-C、HDMI |
AFセンサー測距点 | 759点 | 759点 |
被写体認識AF | AI認識 人物 / 動物 / 鳥 / 昆虫 / 車・列車 / 飛行機 | [静止画] 人物/動物/鳥 [動画]人物/動物/ 鳥 |
製品名 | α7CII | α7IV |
動画記録画素数 | 4K60p | 4K60p |
連続動画撮影時間 | 約165分 | 約175分 |
重量(バッテリー、SD含む) | 514g | 658g |
幅x高さx奥行き | 124×71.1×63.4mm | 131.3×96.4×79.8mm |
その他特徴 | リアルタイム認識AF リアルタイムトラッキング フルタイムDMF機能 手振れ補正アクティブモード レンズ・ボディ協調手振れ補正 ブリージング補正 フォーカスマップ クリエイティブルック S-Cinetone 新メニュー オートフレーミング タイムラプス Log撮影中LUT適用 | リアルタイム瞳AF リアルタイムトラッキング 手振れ補正アクティブモード ブリージング補正 フォーカスマップ クリエイティブルック S-Cinetone 新メニュー |
特筆すべき点は、α7CIIにはα7IVにはないAI認識AFがついたところです。
AFの検証結果が気になりますね。
小型軽量さでもα7CIIが圧倒的に有利です。
果たしてα7IVに勝ち目はあるのか?
次の5番勝負で比較します。
- 操作性
- 画質
- オートフォーカス(AF)
- 手振れ補正
- 動画撮影
では検証していきます。
2.α7CIIとα7IVの操作性を比較
α7CIIとα7IVの操作性を比較していきます。
グリップ
α7IVのグリップは深く握りやすいです。
α7CIIのグリップも全機種よりは改善されましたが、それでも手が大きい人には浅く感じます
手の小さい女性や子供にはα7CIIでも問題ないでしょう。
操作ボタン
α7CIIの電源ON/OFFレバーは指を曲げる形になり少し窮屈に感じます。
α7IVの位置は、自然に指を伸ばしたときに届く位置でベストです。
α7CIIにはマルチセレクター(ジョイスティック)がありません。
一方、α7IVにはついています。
AF枠の位置をとっさに変える際に重宝していたので、α7CIIはこの点では使いにくさを感じます。
なお代替方法はこちらをご覧ください。
≫ソニーα7CIIレビュー(マルチセレクターの代替)
SDカード蓋
α7IVは親指で簡単に開けられました。
一方のα7CIIは爪の先でレバーをひっかける必要があるので、少々使いづらさを感じます。
特に開けるときより、閉めるときのほうが手間に感じます。
レンズ取り外しボタン
α7IVは特に問題を感じません。
α7CIIはボタンが小さく指の先で推す形になり、押しづらさを感じます。
グリップ/操作ボタン/SDカード蓋/レンズ取り外しボタンなど複数の観点でα7IVの操作性が勝る
3.α7CIIとα7IVの画質を比較
α7CIIとα7IVの画質を比較していきます。
解像度
α7CIIもα7IVも3300万画素センサーを使っており、解像度は全く不満を感じません。
APSCクロップしても1400万画素で撮れるので、解像度はどちらも十分と言えるでしょう。
高感度耐性
暗いシーンでノイズがどれだけ乗るかを見てみましょう。
比較してみると、α7CIIもα7IVもほとんど違いは見られません。
光を集めやすくノイズが乗りにくいというフルサイズのメリットが見て取れます。
解像度と高感度耐性の観点で、α7CII、α7IVともに高レベルで引き分け
4.α7CIIとα7IVのオートフォーカス(AF)を比較
α7CIIには最新のAI認識AFが搭載されました。一方α7IVは従来のトラッキングフォーカスです。
α7CIIとα7IVのオートフォーカスを比較していきます。
人物撮影
α7CIIは横を向いていても、後ろを向いていても人の顔を認識しました。
一方、α7VIは正面を向いたときは瞳に合うのですが、横向きや後ろ向きでは弱い印象です。
α7CIIのほうが人物にピントが合いやすくなっています。
人物以外の被写体
α7CIIもα7IVも動物や鳥の瞳認識が優秀です。
遠くの小さな鳥でも瞳に合うことが多く、感動しました。
またα7CIIは電車の前面を認識してピントを合わせ続けることができました。
α7IVでもAFの不満は少なかったのですが、様々な被写体を撮るなら進化したα7CIIのほうが使いやすいでしょう。
人物や電車など様々な被写体でα7IVよりα7CIIのAFのほうが優れている
5.α7CIIとα7IVの手振れ補正を比較
α7CIIとα7IVの手振れ補正を比較していきます。
通常手振れ補正
スペック上はα7IVが5.5段、α7CIIは7段と差がありますが、実際使ってみるとそこまで差はなく、どちらも優秀な手振れ補正だと感じました。
このようにほとんど差を感じません。
動画アクティブモード
また動画のアクティブモードでも比較してみました。
↓α7CIIのアクティブモード
↓α7IVのアクティブモード
どちらも手持ちで歩き撮りできるほど安定しています。
こちらの記事でそれぞれ詳しく検証しています。
≫ソニーα7IVの手振れ補正アクティブモードを検証
≫ソニーα7CIIの手振れ補正アクティブモードを検証
通常の手振れ補正も動画アクティブモードも、α7CII、α7IVともに優秀で引き分け
6.α7CIIとα7IVの動画撮影を比較
α7CIIとα7IVの動画撮影を比較していきます。
手持ち撮影
動画撮影で重要なのは安定した動画を長時間撮影できることです。
その際に必要なのは小型軽量であることです。
動画撮影ではEVFも使わないので、フラットデザインのα7CIIは動画に適した形状と言えます。
実際、手持ちで長時間動画撮影をしてみましたが、α7CIIは疲れることがありませんでした。
α7IVだと、1日使うとやはり重さを実感します。
ジンバル撮影でも小型軽量なほうが取り回しやすく有利なので、α7CIIが適しています。
動画新機能
また、α7CIIには新しい動画機能が追加されました。
・超解像ズームでの認識AF
・オートフレーミング
・Log撮影中のLUT適用
詳細はα7CIIレビュー記事内の動画機能箇所をご覧ください。
≫ソニーα7CIIレビュー(動画機能が向上)
どれも中級者向けの機能ですが、動画撮影の幅が広がりました。
小型軽量さと、新機能追加でα7IVよりα7CIIのほうが動画撮影に向いている。
7.結論|α7CIIとα7IVどっちを買うべき?
5番勝負の結論です。
α7CII | α7IV | |
操作性 | 3点 | 5点 |
画質 | 5点 | 5点 |
オートフォーカス(AF) | 5点 | 4点 |
手振れ補正 | 5点 | 5点 |
動画撮影 | 5点 | 4点 |
合計 | 23点 | 23点 |
ということで、点数上では引き分けとなりました。
ただし、性格は異なっており、それぞれ向いている人はこんな人です。
写真をしっかりとりたい人:α7IV
毎日持ち歩きたい or 動画メインな人:α7CII
初めてミラーレスカメラを買う方には価格も安く、機能性能が向上したα7CIIをおすすめしたいです。
ぜひご自分の使い方に合ったほうを選んでみてください。
それぞれこちらの記事で詳しいレビューを行っています。併せてご覧ください。