先日古いフイルムカメラを入手したのですが、モルトがボロボロでした…。
経年劣化しやすいのですが、これがボロボロだと、
- フイルム室の遮光ができずフイルムが感光してしまう
- モルトのカスがカメラ内に散らばり、レンズゴミになったり機構部の不具合を起こす
といった支障が出てしまいます。
ボロボロのモルトは絶対に張り替えるべきです。
そこで今回は、100均で売っているものだけで張り替えにチャレンジしてみました。
果たして仕上がりはいかに。
それでは、カメラ歴15年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。
1. 100均で揃えられるモルト交換に必要なもの
モルト交換のために100均で買ってきたものはこれだけです。
100均で購入
- すべりどめシートとして売られている柔らかいスポンジ状のシート
- 両面テープ(基材がフイルムと紙タイプが売られていますが、コシのない紙タイプがいいです)
モルトは、上記すべりどめシートが近くに売ってなければ、薄めの黒いフェルトや、下記のようなモルトとして売られているシートでもOKです。
その他家にあったもの含めて作業に使ったもの一覧です。
- すべりどめシート
- 両面テープ
- 消毒用エタノール(できれば無水エタノールがいいが、多少水が入っていても問題無し)
- ピンセット(なければつまようじでも可)
- メガネふき用の布(なるべく毛羽が出ない布)
- キッチンペーパー(なるべく毛羽が出ないペーパー)
- モルトを張り替えるカメラ
以上です。
これらを使って張り替えていきます。
2.モルト交換やってみた
以下の手順で張り替えます。
STEP1:古いモルトをはがす
STEP2:新しいモルトを作る
STEP3:新しいモルトを貼る
では実際にやっていきます。
STEP1:古いモルトをはがす
まず初めに、モルトのカスがシャッター機構部に入っていかないよう、カバーをします。
紙を適当な大きさに切ってテープで貼り付けるだけです。
ここから古いモルトをはがしていきます。
エタノールをピンセットやメガネふきの布でモルトの部分に十分に塗布します。
こちらのヒンジの部分は簡単に剥がれました。
一方こちらのフイルム蓋の周囲の溝は狭くてモルトが硬くなっていることが多く、はがしにくいです。
はがすというよりはピンセットを突っ込んでごしごしこさいでいくような感覚ではがしていきます。
完璧を求めると時間がかかるので、ある程度剥がれたら良しとしましょう。
STEP2:新しいモルトを作る
新しいモルトの柵を作ります。
黒いすべりどめシートに両面テープを貼り付けて、はさみで切っていきます。
この時、カッターで切るとシートが柔らかくちぎれやすかったり、幅が変わったりしてやりにくかったので、はさみで切る方がやりやすいです。
このとき、1mm程度の細いくらいの幅のほうが次の溝に貼る過程でやりやすかったです。
STEP3:新しいモルトを貼る
最後に新しいモルトを溝に貼っていきます。
端から両面テープをはがして、ピンセットでしっかり底面に張り付くように押さえ込みながら貼っていきます。
モルトの幅が太いと溝の側面に両面テープがくっつき、ねじれたりしてやりづらかったので、なるべく細い幅で、しっかり底面に両面テープが付くように意識して貼っていくとよいでしょう。
ただし、ここも完璧を求めず多少ずれたりよじれても機能は果たせますので、OKとしましょう。
このように全周張り替えて完成しました。
ちなみに先ほどと違うカメラでも張り替えてみました。
こちらのほうがモルトが硬化してボロボロにこびりついていたので、はがすのに時間がかかりました。
ただ、最終的には新しいモルトで覆ってしまうので、古いモルトが多少残っていても問題ないと思います。
また、今回は最初から貼ってあったモルトが劣化していなかったので、張り替えませんでしたが、ミラーボックス内のモルトも同様に張り替えることができます。
ゴミがミラーボックス内に落ちないよう、開口部を下に向けながら作業する必要があるので、若干やりづらいと思いますが、同じやり方でできると思います。
モルト交換の注意点
最後にモルト交換の注意点をまとめます。
以上、色々と書きましたが、実際はそこまで難しい作業ではないので、気軽に試してみてください。
1時間もあればできると思います。
3.まとめ
今回は、古くなったモルト交換を自分でやってみました。
モルトが古いと、感光したり、ゴミとして写ったりと、写真の品質に直結します。
必ずモルトの状態を確認して、問題があれば交換してからフイルムを装着しましょう。
その際、専門業者に頼むのもいいですが、100均で手に入る材料で自分で張り替えることもできるので、ぜひご自分でトライしてみて下さい。
今後もカメラのメンテナンスについても記事を書いていきたいと思います。