デジタルカメラとフイルムカメラの写りの違いとは?【実画で比較】

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普段デジタルカメラを使っていてたまにフイルムカメラを使うと、写りが全く違うことに気づきます。

最近の高画素機だとデジタルカメラのほうが高精細で、フイルムカメラは解像度が低く見えます。

しかし、フイルム独特の粒子や色合いなど写真全体として見た時の味は、フイルムカメラが好みだったりします。

そこで湧いてきた疑問。

フイルムカメラとデジタルカメラで同じ被写体を撮ったらどれくらい、どのように写りが違うのか?

1980年のF32021年のα7IVとで比較してみました。

フイルムカメラデジタルカメラ

1980年 F3
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2021年 α7IV
ニコンF3レビューα7IVレビュー
この記事でわかること

フイルムとデジタルでどれくらい写りが違うのか

それでは、カメラ歴17年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。

1.フイルムとデジタルの写りの違い比較

40年前のフイルムカメラF3最新のデジタルカメラα7IVで、横浜みなとみらいの風景を実写比較してみました。

レンズはともに、50mmF1.4、フイルムは下記を使用しました。

違う日に撮ったのですが、時間が若干ずれたので太陽の位置が異なり、光の当たり方が異なります。そのため若干明暗差や色が影響されていますが、そのあたりは念頭に置いて見てみてください。

それでは比較していきます。

主に、解像度と色味、階調(明るさの深み)を見ています。

実写画像で比較

空をデジタルカメラで撮影
デジタル
空をフイルムカメラで撮影
フイルム

ぱっと見の印象は色味が結構違います。

フイルムのほうはスキャナの性能にもよると思いますが、黄色味がかっています。

ただ解像感に関してはあまり違いが感じられません。

拡大してみましょう。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-2.jpg
デジタル
看板をフイルムカメラで撮影
フイルム

拡大すると一目瞭然ですね。

デジタルのほうは、看板の赤い文字の中のネオン管まではっきり見えます。

デジタル
フイルム

こちらも色以外、ぱっと見は違いが感じられません。

拡大してみます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-3.jpg
デジタル
フイルム

解像度に関してはデジタル(α7IV)がすばらしいですね。

デジタル
フイルム

逆光気味のシーンです。
明暗差があります。ぱっと見はフイルムが色が淡く感じます。

拡大してみます。

デジタル
フイルム

明暗差があるところを見てみると、フイルムでは黒潰れしている橋げたの影になっているところも、
デジタルだとしっかり質感が分かります。

階調(明るさの深み)もデジタルのほうが優れていると分かります。

デジタル
フイルム

こちらもビルの細かい目の部分は解像感が必要とされる被写体です。

フイルムの左のビルや右のビルに写った反射は若干白飛びしていますが、しかしこれはこれで味があります。

デジタル
フイルム

近接被写体でボケ具合を比較してみました。

フイルムのほうは6角形の絞り羽根形状が見える光源があります。
デジタルのほうはボケがまろやかですね。また、メイン被写体のクサリの解像度も高いので、より被写体が浮かび上がる感じがします。

デジタル
フイルム

こういう解像感が必要ない被写体だと、フイルムの色や粒状感が味が出て印相的です。

デジタルのほうは後ろの点光源がぼけていますが、絞り羽根の形は見えず円形状に近いですね。

デジタル
フイルム
デジタル
フイルム

これも拡大してみると解像度の違いは一目瞭然です。しかし空の色とビルの色の対比はフイルムも印象的です。

デジタル
フイルム

こういう何でもない被写体だと、解像度の高いデジタルだと味気ない写真になってしまいます。
フイルムのほうは水面の反射も含めて絵になる写真ですね。

デジタル
フイルム

最後に工事現場の写真です。
日を少し開けて撮りくらべたのですが、この短い期間に手前のビルの鉄骨が組みあがっているのに驚きました。写りとは関係ないですが、工事現場の定点観測をするのも面白そうですね。

結論

結論です。フイルムとデジタルの違いは以下です。

フイルムデジタル
解像度低い高い
色味黄色寄り青色寄り
階調普通深い

ちなみに、解像度や階調はカメラやレンズ・フイルムの性能に依存して撮った段階で決まりますが、色味に関しては現像やレタッチで後からある程度調整できます。

解像度に関してはデジタルが優れているのは分かっていましたが、階調(光の深さ)もデジタルのほうが深くなっているのは意外でした。少し前まではフイルムの階調にはなかなか勝てないのではないかと言われていましたが、既にデジタルが逆転していることが分かりました。

デジタルユーザーにはいい情報なのではと思います。

ただし、写真を一枚の作品として見た時には、フイルムの粒状感や色が淡いことが逆に味となり、
フイルムの写りのほうが好みだと、いう方もいると思います。

今回の比較は、あくまでフイルムとデジタルの写りの違いをお伝えするものですので、それぞれの違いを使い分けて撮影を楽しんでいただければと思います。

2.まとめ

本記事ではフイルムとデジタルでどれくらい写りが違うのか、実写で比較しました。

解像度、色味、階調は結構違うことが分かりました。
ただこれは良し悪しではなく、それぞれの特長ですので、撮りたいものや表現したいものに合わせて、デジタルとフイルムを使い分けるのがいいのではないでしょうか。

最近、映画「余命10年」でも使われるなどして手軽なレンズ付きフイルム「写ルンです」が広い世代に知られるようになり、一部で売り切れるなど、ちょっとした再ブームになっているようです。
関連記事 【特定】映画「余命10年」で小松菜奈さんが使ったビデオカメラはどれ?

また、「写ルンです」が手に入らないならフイルムで撮ればいい、とフイルムカメラが一部で流行りつつあるようですね。

久しぶりに出してみた場合、モルトがボロボロになっていることもあります。こちらの記事でモルト交換の方法をご紹介していますので、チェックしてみてください。
関連記事【お手軽】フイルムカメラのモルト交換を100均の材料だけでやってみた【簡単】

今後もデジタルとフイルムで、使うカメラやレンズ、フイルム違いで撮り比べてみて、写りの違いを研究してみたいと思います。

今回比較に使用したソニーα7IVは「子供を撮るのに最適なカメラの選び方」の記事でおすすめのカメラとしてご紹介しています。よろしければ併せてご覧ください。