コンパクトフルサイズとして、使いやすさや機能が大幅進化した「α7CII」。人気だったα7Cの後継機種です。
コンパクトなボディに先進機能をぎゅっと詰め込んだα7CIIを、実際に使っていて感じたメリットデメリットを正直にレビューします。
私はα7IVを3年近く使い続けており、より軽量化を図るべくα7CIIを購入しました。置き換えになり得るかの観点からも比較します。
1.ソニーα7CIIの仕様と特徴をα7IV、α7C、α6700と比較
α7CIIの仕様や特徴をα7IVやα7C、α6700と比較します。
α7CIIの特徴
- α7Cのコンパクトさを継承。フルサイズなのにたった514g。
- グリップやボタン配置が改善され、操作性が向上。
- 上位機種α7RV譲りのAI認識AFを搭載。オートフォーカスが大幅進化。
- 手振れ補正性能が向上。従来の5段から7段へ進化。
- 撮影の幅を広げる最新機能を搭載(タイムラプス/オートフレーミング/超解像ズーム中瞳AF/フルタイムDMF/log撮影中のLUT適用)
仕様比較
製品名 | α7CII | α7IV | α7C | α6700 |
発売日 | 2023/10/13 | 2021/12/17 | 2020/10/23 | 2023/7/28 |
撮像素子 | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ | APSC |
有効画素数 | 3300万画素 | 3300万画素 | 2420万画素 | 2600万画素 |
連写撮影 | 最高10コマ/秒 | 最高10コマ/秒 | 最高10コマ/秒 | 最高11コマ/秒 |
シャッタースピード | 1/8000-30秒(電子) 1/4000-30秒(メカ) | 1/8000-30秒 | 1/8000-30秒(電子) 1/4000-30秒(メカ) | 1/8000-30秒(電子) 1/4000-30秒(メカ) |
液晶モニター | 3型(インチ) 103.68万ドット | 3型(インチ) 103.68万ドット | 3型(インチ) 92.16万ドット | 3型(インチ) 103.68万ドット |
ファインダーサイズ | 0.39型 | 0.5型 | 0.39型 | 0.39型 |
ファインダードット数 | 約236万ドット | 約369万ドット | 約236万ドット | 約236万ドット |
ファインダー倍率 | 0.7倍 | 0.78倍 | 0.59倍 | 1.07倍 |
製品名 | α7CII | α7IV | α7C | α6700 |
撮影枚数 | 液晶モニター使用時: 約560枚 | 液晶モニター使用時:約580枚 | 液晶モニタ使用時:740枚 | 液晶モニター使用時: 約570枚 |
スロット | シングルスロット SD | ダブルスロット 1:SD/CFexpress A 2:SD | シングルスロット SD | シングルスロット SD |
手ブレ補正効果 | 7.0段 | 5.5段 | 5.0段 | 5.0段 |
可動式モニタ | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 |
インターフェース | USB Type-C、HDMIマイクロ | マイクロUSB、USB Type-C、HDMI | USB Type-C、HDMIマイクロ | USB Type-C、HDMIマイクロ |
AFセンサー測距点 | 759点 | 759点 | 693点 | 759点 |
被写体認識AF | AI認識 人物 / 動物 / 鳥 / 昆虫 / 車・列車 / 飛行機 | [静止画] 人物/動物/鳥 [動画]人物/動物/ 鳥 | [静止画] 人物/動物 [動画] 人物 | AI認識 人物 / 動物 / 鳥 / 昆虫 / 車・列車 / 飛行機 |
製品名 | α7CII | α7IV | α7C | α6700 |
動画記録画素数 | 4K60p | 4K60p | 4K30p | 4K120p |
連続動画撮影時間 | 約165分 | 約175分 | 約215分 | 約185分 |
重量(バッテリー、SD含む) | 514g | 658g | 509g | 493g |
幅x高さx奥行き | 124×71.1×63.4mm | 131.3×96.4×79.8mm | 124×71.1×59.7mm | 122x69x63.6mm |
その他特徴 | リアルタイム認識AF リアルタイムトラッキング フルタイムDMF機能 手振れ補正アクティブモード レンズ・ボディ協調手振れ補正 ブリージング補正 フォーカスマップ クリエイティブルック S-Cinetone 新メニュー オートフレーミング タイムラプス Log撮影中LUT適用 | リアルタイム瞳AF リアルタイムトラッキング 手振れ補正アクティブモード ブリージング補正 フォーカスマップ クリエイティブルック S-Cinetone 新メニュー | リアルタイム瞳AF リアルタイムトラッキング | リアルタイム認識AF リアルタイムトラッキング フルタイムDMF機能 手振れ補正アクティブモード レンズ・ボディ協調手振れ補正 ブリージング補正 フォーカスマップ クリエイティブルック S-Cinetone 新メニュー オートフレーミング タイムラプス Log撮影中LUT適用 |
α7CIIとα7IVを比較
コンパクトさでα7CII
AI認識AFやいくつかの新機能がα7CIIには搭載
EVFや操作性はα7IVに軍配が上がる
本格的に撮りたい人はα7IV、日常的に使いたい人はα7CII
↓こちらの記事でα7CIIとα7IVを徹底的に比較しました。
α7CIIとα7Cを比較
α7Cの欠点EVFと操作性が改善 不満点が解消された
画像処理エンジンも最新世代になり、性能大幅進化
画素数もUP 解像度も向上
価格差を考えても間違いなくα7CIIがおすすめ
α7CIIとα6700を比較
性能面や操作性はほぼ一緒
どちらも最新機能を搭載
違いはほぼセンサーサイズのみ APSCとフルサイズ
価格差7万円をどう考えるか次第だが、1台目であればフルサイズのα7CIIをおすすめしたい
2.ソニーα7CIIのメリット
実際に使ってみて感じたα7CIIのメリットは、次の7つです。
それぞれ詳しく解説します。
コンパクトさ
α7CIIの最大の魅力がこのコンパクトさ。
α7IVと比較します。
正面から
上側から
グリップ側から
小型の単焦点レンズを付けると、すこし大きめのコンデジといえるくらいです。
いつもカバンに入れて日常使いするのに最適です。
また、荷物がかさばる子供とのお出かけや、旅行でもメリットを感じます。
一方、望遠レンズを付けると少しアンバランス。
α7CIIにはなるべくコンパクトなレンズを選びたいですね。
おすすめのレンズを記事後半で紹介します。
≫α7CIIおすすめのレンズへジャンプ
操作性が向上(右手で全ての操作が完結)
コンパクトになると損なわれやすいのが操作性。
先代のα7Cはグリップの握り加減や、ダイヤルの少なさに不満の声がありました。
α7CIIでは、そのあたりを踏まえて操作性が大きく改善されています。
グリップは深く握りやすくなり、小指が余りにくくなりました。
また、ダイヤルやボタン類も充実。シャッターボタンも大きく押しやすくなっています。
メニューボタンが右側に寄ったことで、右手で全ての操作が完結するようになったのもGoodです。
個人的には、後ほどデメリットで述べる1点だけ物足りなさを感じました。
ただ、操作性に関してはほとんど不満はなくなったと言えます。
最新のAI認識AFが優秀
これもα7CIIの大きな進化点。AI認識AFが搭載されました。
後ろを向いていても、瞳が隠れていても、顔認識したのには驚きました。
他にも鳥や虫、電車や飛行機など、主要被写体をAI認識することができます。
ピント合わせはほとんどカメラ任せで失敗することはなくなったのではないでしょうか。
AI認識AFは、上位機種のα7RVには搭載されていますが、フルサイズのスタンダードクラスに搭載されたのはα7CIIが初めてです。
ピント合わせは写真の一番大事な要素です。
AI認識AFをを使ってみるためにα7CIIを選んでもよいと言えるくらいです。
新搭載のタイムラプス機能
あまり知られていませんが、タイムラプス機能が搭載されました。
実は、だいぶ古い機種のNEX時代に、搭載されていた機能ですが、αになってからは省かれていました。
1秒~60秒までの間でタイムラプスがカメラだけで撮影できるようになりました。
タイムラプスは頻繁に使う機能ではありませんが、ここぞというときに使えるのはありがたいです。
人が行き交う街中や、星空の動きを捉えると面白い動画が撮れます。
超解像ズーム中のAFが便利
こちらもあまり知られていない便利機能ですが、動画の超解像ズーム時に認識AFが使えるようになりました。
いままでの超解像ズームでは、画面全体AFだけだったので、正直ピントが外れてあまり使い物になりませんでした。
認識AFが搭載されたことで、確実に被写体にピントが合うようになりました。
APSCクロップと併せて使うと、なんと3倍ズームができます。
例えば、20mmの単焦点レンズが60mm相当にまでズームできます。
動画撮影の幅が大きく広がったと言えるでしょう。
フルタイムDMF搭載
これも知る人ぞ知る機能ですが、これまで一部のレンズにしか搭載されていなかった「フルタイムDMF」がカメラ側に搭載されました。
フルタイムDMFをONにすると、AF駆動時でもフォーカスリングを動かすとマニュアルフォーカスできます。
動きの速いスポーツの撮影や厳密なピント合わせが要求される野鳥撮影などで重宝します。
動画機能が向上(オートフレーミング、log撮影中のLUT適用)
その他、動画の新機能がいくつか搭載されました。
オートフレーミングは自然に人物の顔がアップされた動画が生成される機能です。
意図的にズームしなくても、広角レンズで固定で撮っても人物を一定の大きさで追い続けることができます。
子供の表情を追いかけたいときなどに使えそうです。
また、中級者向けの機能ですが、log撮影時にLUTをその場で当てる機能が付きました。
撮影時に仕上がりが確認でき、ポスプロでのカラーグレーディングが不要になります。
おしゃれな動画を撮りたい人にはとても有益な機能です。
α7CIIはコンパクトさゆえに、手持ちでもジンバルでも動画撮影がしやすくなりました。
手振れ補正アクティブモードも搭載し、手振れもおさえてくれます。
実際にこちらの記事で手振れ補正アクティブモードを検証したので、気になる方は併せてご覧ください。
≫ソニーα7CIIの手振れ補正アクティブモードを検証
動画ユーザにはぜひおすすめしたいカメラです。
以上、ソニーα7CIIのメリット7つを紹介しました。
3.ソニーα7CIIのデメリット
実際に使ってみて感じたα7CIIのデメリットは次の3つです。
詳しく解説します。
ファインダーのアイピースカップがない
α7CIIにはファインダーにつけるアイピースカップ(ゴムのカバー)がありません。
このため、EVFを使用する際に、フィット感が少ないです。
特に眼鏡をしている私には、スキマができて遮光性に若干難を感じました。
α7IVやα6700にはアイピースカップがあるので、α7CIIにも付けられるようにしてほしかったです。
なお、先代のα7Cにもアイピースカップはなく、サードパーティーからシューにつけるアクセサリとして発売されていました。
今後α7CIIでも発売されるかもしれません。
EVFを多用する人は実機で試してみることをおすすめします。
マルチセレクター(ジョイスティック)がない
α7CIIにはマルチセレクター(ジョイスティック)がありません。
極限まで小型軽量を図ったため、省かれたのは理解できます。
ただ個人的には、AF枠を頻繁に移動する使い方をしていたため、マルチセレクターは多用していました。
以下の2通りで代用はできます。
- タッチパネルでAF枠を動かす
- C1ボタンなどにフォーカススタンダード機能を割り当て、そのボタンを押してから十字キーで動かす
ただ、どちらもマルチセレクターの使いやすさには及びません。
慣れるかどうかしばらく使ってみようと思います。
ちなみに、AI認識AFが優秀なため、AF枠を動かさなくてもほとんどの場面で意図した被写体にピントを合わせることができます。
ほとんどの人にとっては問題ないと思います。(α7IVに慣れてしまった私固有の問題かもしれません)
レンズ取り外しボタンが小さい
α7CIIはレンズ取り外しボタンが小さいです。
α7IVを使っている時は特に取り外しにくさを感じたことはなかったのですが、α7CIIでは、少し押しづらさを感じます。
ただ、α7IVを長く使っていたためにそう感じただけで、慣れれば気にならないかもしれません。
以上、α7CIIのデメリットでした。
総じて、デメリットに感じる点は少なく、とても完成度の高いカメラだと思います。
4.ソニーα7CIIはこんな人におすすめ
以上を踏まえてα7CIIがおすすめなのはこんな人です。
特にフルサイズミラーレスでどれを買ったらいいか迷っている人には、最初の1台におすすめです。
また動画撮影をする人にも、コンパクトさは大きなメリットですので、ぜひおすすめしたいです。
5.ソニーα7CIIの作例
α7CIIで撮った作例をいくつかご紹介します。
α7CIIを実際に使ってみて、本当にスナップに最適なカメラだと思いました。
6.ソニーα7CIIにおすすめのレンズ
コンパクトなα7CIIに合うおすすめのレンズを3本ご紹介します。
この3本を揃えておけば、ほとんどのシーンに対応できるでしょう。
FE 20-70mm F4 G
①新定番20mmスタートのF4通しズームレンズ
②驚異的なコンパクトさ
③最大撮影倍率0.39倍まで寄れる
α7CIIにベストマッチなコンパクトな標準ズームレンズです。Eマウントユーザー必携の1本です。
FE 70-200mm F4 Macro G OSS II
おすすめの理由3点
①70-200mm F4クラスの中で小型軽量
②唯一の全域ハーフマクロ
③テレコン対応で最大400mmまでの超望遠撮影
Eマウントの望遠レンズで今一番おすすめなのがこのレンズです。望遠+マクロで一石二鳥レンズです。
FE PZ 16-35mm F4 G
①動画はもちろん静止画でも使いやすいパワーズーム
②とにかく小型軽量
パワーズームで、動画ユーザにイチオシの1本です。軽量なのでα7CIIと合わせてのジンバル撮影に最適です。
7.α7CIIを最安値&3年保証つきで手に入れる方法
α7CIIを最安値&3年保証つきで手に入れる方法があります。
実は、真っ当にソニーストアで購入するだけです。
- 新規登録クーポン(10%OFF)
(併用はできませんが定期クーポン10%OFF、株主優待特典クーポン15%OFFも使えます) - 提携カード支払い(3%OFF)
- ソニーストア下取り(α7C買取強化)
また、保証の面でもソニーストアは群を抜いて充実しています。
通常それぞれのストアが独自に長期保証を実施していますが、自然故障のへの保証延長がメインです。
ソニーストアは無料で3年の長期保証が受けられるうえ、有料で「破損・水ぬれ・火災」などまで広い範囲の保証をつけられます。
無料長期保証 | 有料長期保証 | |
ソニーストア | 3年 自然故障 | 5年自然故障 3年自然故障 破損 水ぬれ 火災など 5年自然故障 破損 水ぬれ 火災など |
安く買う方法や長期保証内容の他量販店等との比較はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
8.まとめ α7CIIはコンパクトミラーレスの決定版
この記事では、
- α7CIIの仕様と特徴(α7IV、α7C、α6700との比較)
- α7CIIを実際に使ってみて感じたメリット、デメリット
- α7CIIに合うおすすめレンズ
をお届けしました。
α7CIIは、最小クラスのコンパクトボディながら、ソニーの最新技術を詰め込み、操作性も優れています。
いつでもどこでも持ち出せるフルサイズカメラの決定版として長く使えることでしょう。
最初の1台に、また、サブカメラとして2台目にも一押しのカメラです。
↓こちらの記事でα7CIIとα7IVを徹底的に比較しました。迷われている方はぜひ見てみてください。