ソニーZV-E10の手振れ補正アクティブモードを検証|クロップ倍率と効き具合は?

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ZV-E10は、カメラ内手振れ補正機構こそ搭載していないものの、動画時の電子式手振れ補正アクティブモードが搭載されています。

動画撮影時に通常の手振れ補正より効き具合を高めており、これがあればジンバルなしでも歩き撮りができる、というくらい評価が高い機能です。

ただし、このモードを使うとクロップされる(画角が狭まる)というデメリットもあります。

そこで今回は、ZV-E10の手振れ補正アクティブモードではどれぐらいクロップされて、どれくらい手振れ補正効果があるのか実際に検証してみました。

また、こちらも手振れ補正アクティブモードの評価が高いα7IV iconとも比較してみます。

この記事でわかること
  • ZV-E10の手振れ補正アクティブモードのクロップ倍率
  • ZV-E10の手振れ補正アクティブモードの効き具合
  • α7IVとの手振れ補正アクティブモードの比較

それでは、カメラ歴15年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。

1.ZV-E10の手振れ補正アクティブモードを検証

今回使用したカメラはこちらです。

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動画撮影時に大変便利な手振れ補正アクティブモードの、

  • クロップ倍率
  • 手振れ補正なし/手振れ補正アクティブモードでの手振れ補正の効き具合

を検証します。

クロップ倍率とは
撮影の段階で特定の範囲を切り取り保存することを「クロップ」といいます。イメージセンサで受け取った光の中から特定の範囲を保存するため、画素数が減少します。
今回の検証では、通常手振れ補正モードとアクティブモードの画角の比較をクロップ倍率として算出します。

今回は動画撮影によく使われる3つの焦点距離で検証してみました。

  • APSC 10mm (フルサイズ換算15mm)
  • APSC 13mm (フルサイズ換算20mm)
  • APSC 16mm (フルサイズ換算24mm)

1-1.ZV-E10の手振れ補正アクティブモードとは?

ZV-E10の手振れ補正アクティブモードは、メーカーWEBサイトでは下記のように説明されています。

歩きながらの手持ち撮影にも便利な電子式手ブレ補正機能を搭載
歩きながらの手持ち撮影に便利な手ブレ補正効果を向上させる、動画専用の電子式手ブレ補正機能「アクティブモード(*)」に対応。ボディ単体で高い補正効果を得られ、安定した動画を撮影できます。
* アクティブモードでは撮影画角が少し狭くなります。記録フレームレートが120p以上になる記録方式および「スロー&クイックモーションフレームレート」が120fps以上のときは、アクティブモードは無効になります

引用:ソニー公式サイト

ポイントは、次の3つ

  • 動画撮影時に手振れ補正効果を向上させる
  • 手振れ補正非搭載のレンズでも効果を発揮(カメラの電子手振れ補正機能)
  • 撮影画角が少し狭くなる

これを読むと、どれくらいの手振れ補正効果があるのかと、どれくらい画角が狭くなるのか気になりますね。

それでは検証します。

ZV-E10の手振れ補正アクティブモードのクロップ倍率

まず、10mm/13mm/16mmで、手振れ補正オフの状態と、アクティブモードの画角を比較してみました。

APSC 10mm (フルサイズ 15mm)

アクティブモードではクロップ倍率約1.42倍のAPSC 14mm (フルサイズ換算21mm)相当となりました。

APSC 13mm (フルサイズ 20mm)

アクティブモードではクロップ倍率約1.43倍のAPSC 19mm (フルサイズ換算28mm)相当となりました。

APSC 16mm (フルサイズ 24mm)

アクティブモードではクロップ倍率約1.43倍のAPSC 23mm (フルサイズ換算34mm)相当となりました。

クロップ倍率はおよそ1.43倍となる、という結果になりました。

ちなみに以前α7IVの手振れ補正アクティブモードを検証したときによるとα7IVは1.2倍となることが分かっています。

比較してみます。

機種名ZV-E10α7IV
クロップ倍率1.43倍1.2倍
フルサイズ換算15mmアクティブ時21mmアクティブ時18mm
フルサイズ換算20mmアクティブ時28mmアクティブ時24mm
フルサイズ換算24mmアクティブ時34mmアクティブ時28mm

アクティブモードを使うなら、APSC13mm(フルサイズ換算 20mm)以下のなるべく広角なレンズを使う方が使い勝手が良いと感じました。

1-3.ZV-E10の手振れ補正アクティブモードの効き具合は?

次に、3つの焦点距離にて手振れ補正アクティブモードでの手振れ補正の効き具合を比較してみました。

  • APSC 10mm (フルサイズ換算15mm)
  • APSC 13mm (フルサイズ換算20mm)
  • APSC 16mm (フルサイズ換算24mm)

効果が分かりやすいように実際の撮影動画を載せます。

APSC 10mm (フルサイズ換算15mm)

▼手振れ補正なし

▼アクティブモード

APSC 13mm (フルサイズ換算20mm)

▼手振れ補正なし

▼アクティブモード

APSC 16mm (フルサイズ換算24mm)

▼手振れ補正なし

▼アクティブモード

どの焦点距離でも差は歴然ですね。

手振れ補正なし、通常手振れ補正はブレすぎてとても使える映像ではありません。

一方、アクティブモードはまるでジンバルを使ったかのように手振れが抑えられており、このまま十分使える映像です。実際に使ってみて、ここまで手振れが抑えられるのかと、感動しました。

動画の歩き撮りが大変しやすくなりますので、ぜひvlog撮影などではZV-E10の手ブレ補正アクティブモードを使ってみてください。

また、今回の検証で、焦点距離の違いによる歩き撮り映像の見え方の違いも分かりました。

スピード感を感じたのは、焦点距離が短い、広角のほうでした。画角が広く周辺が流れるように移動していくためです。一方APSC16mm(フルサイズ換算24mm)くらいになってくると、ゆっくり歩いているように見え、より安定した映像に感じます。

表現の違いによって焦点距離を使い分けるといいでしょう。

ZV-E10とα7IVの比較

最後にα7IVの手振れ補正アクティブモードと効き具合を比較してみます。

分かりやすさのため、クロップ後に同じくらいの画角で比較してみます。

▼ZV-E10 クロップ後 フルサイズ換算 28mm

▼α7IV クロップ後フルサイズ換算 28mm

正直ほとんど違いは感じられません。

ZV-E10の手振れ補正アクティブモードはα7IV並みと言ってもいいでしょう。

本格的な歩き撮りにも十分対応できそうですね。

2.まとめ

この記事では、

  • ZV-E10の手振れ補正アクティブモードのクロップ倍率
  • ZV-E10の手振れ補正アクティブモードの効き具合

をお伝えしました。

アクティブモードでのクロップ倍率は、約1.43倍相当

  • APSC 10mm (フルサイズ換算15mm)は、アクティブ時APSC 14mm (フルサイズ換算21mm)
  • APSC 13mm (フルサイズ換算20mm)は、アクティブ時APSC 19mm (フルサイズ換算28mm)
  • APSC 16mm (フルサイズ換算24mm)は、アクティブ時APSC 23mm (フルサイズ換算34mm)

ということが分かりました。

また、手振れ補正の効き具合は差が歴然と分かるくらい、アクティブモードではよく手振れが抑えられていました。動画の歩き撮りをするなら、アクティブモードは必須です。

またZV-E10のアクティブモードはα7IVと同じくらいの手振れ補正効果がありました。

今回の検証を通して、ZV-E10のアクティブモードは、ジンバルが本当にいらないくらい手振れを抑えてくれ大変優秀な機能だと実感しました。

ジンバルがなくてもよければ、装備が軽くなり、vlogなどの動画を撮るハードルが下がります。

動画初心者の方でも簡単に、ZV-E10のアクティブモードで歩き撮りにトライできるはずです。

ZV-E10のアクティブモードは、本当にジンバルがいらないくらい手振れを抑えてくれるのですが、よりさらに高みを目指す方、高品質な動画を撮りたい方はにジンバルもおすすめします。

ZV-E10の小型軽量を生かすなら、最も小型で軽量なこちらのジンバルがおすすめです。

また、こちらの記事でZV-E10での撮影におすすめのレンズをご紹介しています。