ソニーα7IVには、3つの瞳AFモードが搭載されています。
人物瞳、鳥瞳、動物瞳モードです。
人物瞳や鳥瞳はレビューも多いのですが、動物瞳に関するレビューはあまりありません。
そこで今回は、動物園で様々な動物を撮ってみて、動物瞳AFの効き具合をレビューしてみます。
どんな動物の瞳を検出するのか気になります!
α7IVの動物瞳AFの効き具合は?
α7IVの動物瞳AFはどんな動物に合うのか?
そんな疑問にお答えします!
また、撮ってみて動物瞳AFを使う上でいくつかの注意点が分かりましたので、併せてお伝えします。
それでは、カメラ歴15年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。
目下ご検討の方には、こちらのα7IV長期レビューの記事もおすすめです。
1.α7IVの動物瞳AFとは?
被写体となる動物の瞳にピントを合わせ続けてくれる機能です。
一度動物の瞳にAFが合えば、あとは構図のことだけに集中して撮影ができるというわけです。
α1から搭載された動物瞳AFがα7IVにも継承されています。それまでは人物瞳だけだったのが、鳥瞳と動物瞳が追加されています。
鳥瞳や動物瞳モードにしていても、人物瞳を検出することができますが、精度が落ちるため、撮る被写体によって検出モードを都度変えることをおすすめします。
いま何のモードになっているかは、背面液晶パネルで設定表示するとこちらに表示されます。
これは動物瞳モードの表示です。
検出する動物の種類については、公式の説明では「犬や猫のような」と記載があります。
ペットの犬や猫が想定されているようですね
犬と猫以外の動物については記載がなく、果たしてどのような動物に対応できるのか気になるところです。
そこで、動物園で様々な動物で動物瞳AFを検証してみました。
2.α7IVの動物瞳AFを動物園でレビュー
α7IVの動物瞳AFを動物園で試してみます。様々な動物がいますが、果たしてどの動物が検出できるのでしょうか?
2-1.α7IVの動物瞳AFの効き具合を動物園でレビュー
動物園には鳥も多くいますので、鳥の場合は鳥瞳AFに切り替えて撮影しました。
まずは鳥以外の動物です。
レッサーパンダ
このレッサーパンダは動きがすばしっこく、なかなか正面から撮影することができませんでした。
目を開けて正面から撮ることができなかったからなのか、動物瞳AFはなかなか機能しませんでした。
キリン
キリンの瞳は検出できました。
ただし、横を向いたり角度が厳しいと検出できないことも多かったです。
キリンは動きが遅いので撮影はしやすかったです。
シマウマ
意外なことにシマウマは検出できませんでした。
目の周りにシマシマがあり検出が難しいのかもしれません。
ただ動きは遅いので目の付近にピントを合わせるのは簡単で撮影しやすかったです。
ワラビー
ワラビーは横向きでは瞳を検出できました。
ただし正面を向いていると、検出できたりできなかったり不安定でした。
目の周りが暗く、瞳を見分けるのが難しいのかもしれません。
ツキノワグマ
ツキノワグマは手前に檻があり、そもそもピントを奥のクマに合わせるのが難しかったです。
動物瞳AFも効きませんでした。
目の周りが黒いのでやはり見分けるのが難しいのかな?
チンパンジー
チンパンジーも檻越しに撮ったので、ピント合わせが難しかったです。
普通にフォーカスすると、2枚目のように手前の檻にピントが合ってしまいます。
AF枠を小にしてうまく後ろのチンパンジーの目だけにフォーカスするようにすると、たまに目に合うことがありました。
その他の猿の仲間
1枚目、2枚目の小さくて動きがすばしっこい猿はなかなか瞳AFが効きませんでした。
3枚目の猿は寝転がっていたのですが、動きがなかったので瞳AFが効きました。
4枚目の猿は近かったのですが、手前に檻や枝があり、動きも素早かったので、目を検出することができませんでした。
瞳AFが機能するかどうかは、対象の大きさ、動きの素早さ意、周りの状況(手前に檻があるかなど)に左右されることが分かってきました。
ここからは鳥瞳AFに切り替えて鳥を撮ります。
コンドル
コンドルは正面を向くと瞳を検出できませんでした。
近い位置から横向きで撮ると瞳を検出できました。
ハヤブサ
ハヤブサは、少し遠い位置にいたためか、検出できませんでした。
ペンギン
ペンギンはばっちり瞳を検出できました。
目の周りが黒く、検出が難しそうなのにかなり検出精度は高かったので驚きでした。
ダチョウ
ダチョウもばっちり検出できました。
このときはじっと止まっていたのでしっかり撮れましたが、走っているところは難しいでしょうね。
フラミンゴ
フラミンゴも目は小さいのにばっちり検出できていました。
目の周りが白っぽく、目が分かりやすいので検出しやすかったのかもしれません。
ほとんどの鳥を検出することができ、総じて鳥瞳AFの検出精度は高いことが改めて分かりました。
これ以外の動物は寝ていたり、引っ込んでいたりと撮影することができなかったので、途中にあった看板で他の動物を試してみました。
バク
バクは身体が黒く、目が分かりにくいためか、検出できませんでした。
チーター
チーターはネコ科で猫に近い顔つきのためなのか、ばっちり検出できました。
トラ
トラもしっかり検出できましたね。ネコ科に強そうです。
オットセイ
オットセイはやはり体が黒くて目が分かりにくいためか、検出できませんでしたね。
レッサーパンダ再び
なんと先ほど全然瞳に合わなかったレッサーパンダですが、
正面から見たこの写真では瞳を検出することができていました。
やはり目がはっきり区別しやすい状況で撮ることが必要なのでしょうね。
ミーアキャット
ミーアキャットも目は小さいのですが、しっかり検出していました。
オカピ
キリンの仲間のオカピも目の周りが黒いためか、検出できませんでした。
以上動物園での動物瞳AFと鳥瞳AFの検証でした。
分かったこと
- 目の周りが黒い動物は検出しづらい
- 動きが素早い動物は検出しづらい
- 遠く離れていたり手前に檻があると検出しづらい
- ネコ科の動物は検出しやすい
- 鳥瞳AFは検出精度が高い
2-2.α7IVの動物瞳AFを使う際の注意点
実際に動物園で撮ってみて分かった動物瞳AFを使う際の注意点です。
- 目が検出しやすいように、なるべく明るい状況で、正面から動物の顔を捉えられるようにポジショニングする
猿やレッサーパンダなど、すばしっこい動物は動きを予測して先回りすることも必要です。
- 檻が手前にある状況では、フォーカスエリアを「小」にして、檻の間から動物の目だけを狙うようにする。それでも檻にフォーカスが引かれて合わない場合は、マニュアルフォーカスモードに切り替えて撮影する。
チンパンジーは動きも遅かったので、マニュアルフォーカスモードで撮影しやすかったです。動きの速い動物はマニュアルフォーカスは難しいので、根気強くフォーカスが合うまでAF-ONを繰り返すのがよいでしょう。
- 動物園は動物と鳥が入り混じっているので、動物瞳と鳥瞳を素早く切り替えられるようにしておくとよい。
α7IVの機能にあるカスタムマイメニューに瞳検出対象切り替えモードを追加しておくと、 素早い操作で切り替えられるのでおすすめです。
3.まとめ
この記事では、
・α7IVの動物瞳AFの動物の種類によっての効き具合
・動物瞳AFを使う際の注意点
をお伝えしました。
動物瞳AFの精度は動物の種類によってまだまだ差があると感じました。
ただ、今回猫科の動物がよくAFできていたように、瞳AFが効きやすい動物もありますので、動物を撮る際はまずは動物瞳AFモードで狙ってみることをおすすめします。
公式ではペットの犬や猫を例にあげていましたしね
瞳に合わなくても、瞳付近には合いしっかりトラッキングしてくれることが多かったので、以前より動物が撮りやすくなったと感じます。
ぜひ動物が撮りやすくなったα7IVで動物撮影にトライしてみてください。
今回は動物瞳AFに特化したレビューでしたので、今度はα7IVで撮った動物の写真と一緒に動物撮影全般のレビューをしてみたいと思います。