カメラメーカー各社のラインナップは日々増える一方で、それぞれの機種の特徴を把握するのはなかなか難しいですよね。
自分にあった機種はどれなのか分かりやすく教えてほしいと思ったことは無いでしょうか。
迷ったらとりあえず新製品を買えばいいのかなぁ?
実は、新しい製品が自分に合う製品とは限らないのがカメラなんです。
そこでこの記事では、カメラメーカーのラインナップを価格と用途別にマッピングし、それぞれの機種の特徴を一言で表してみます。
また細かく知りたい方のために、詳しい仕様表の比較と各機種の特徴もご説明します。
今回はニコンのZマウントミラーレスカメラのラインナップをまとめてみます。
一目でわかるを目指しました!
それでは、カメラ歴15年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。
1.一目でわかるカメララインナップまとめ【ニコンZマウント編】
1-1.ラインナップマップ
最新のZ9は機能も値段も最高峰!
撮りたいものによっては、エントリー~アマチュア向け機種でも十分満足のいく画が撮れます
製品名 | Z 9 | Z 7II | Z 6II | Z 5 | Z 6 | Z 7 | Z fc | Z 50 |
最安価格 (2021/1/6 kakaku.com) | ¥628,650 | ¥354,000 | ¥232,800 | ¥138,000 | ¥170,926 | ¥258,488 | ¥116,820 | ¥99,800 |
発売日 | 2021/12/24 | 2020/12/11 | 2020/11/6 | 2020/8/28 | 2018/11/23 | 2018/9/28 | 2021/7/23 | 2019/11/22 |
ローパスフィルターレス | – | ○ | – | – | – | ○ | ○ | ○ |
撮像素子 | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ | APS-C | APS-C |
撮影感度 | 標準:ISO64~25600 | 標準:ISO64~25600 | 標準:ISO100~51200 | 標準:ISO100~51200 | 標準:ISO100~51200 | 標準:ISO64~25600 | 標準:ISO100~51200 | 標準:ISO100~51200 |
記録フォーマット | JPEG/RAW(NEF) | JPEG/RAW(NEF) | JPEG/RAW(NEF) | JPEG/RAW(NEF) | JPEG/RAW/TIFF | JPEG/RAW/TIFF | JPEG/RAW(NEF) | JPEG/RAW |
有効画素数 | 4571 万画素 | 4575 万画素 | 2450 万画素 | 2432 万画素 | 2450 万画素 | 4575 万画素 | 2088 万画素 | 2088 万画素 |
連写撮影 | 約120コマ/秒(11M) 約30コマ/秒(45M) | 約10コマ/秒 | 約14コマ/秒 | 約4.5コマ/秒 | 約12コマ/秒 | 約9コマ/秒 | 約11コマ/秒 | 約11コマ/秒 |
シャッタースピード | 1/32000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/4000~30秒 | 1/4000~30秒 |
液晶モニター | 3.2型(インチ) 210万ドット | 3.2型(インチ) 210万ドット | 3.2型(インチ) 210万ドット | 3.2型(インチ) 104万ドット | 3.2型(インチ) 210万ドット | 3.2型(インチ) 210万ドット | 3型(インチ) 104万ドット | 3.2型(インチ) 104万ドット |
ファインダーサイズ | 0.5型 | 0.5型 | 0.5型 | 0.5型 | 0.5型 | 0.5型 | 0.39型 | 0.39型 |
ファインダードット数 | 約369万ドット | 約369万ドット | 約369万ドット | 約369万ドット | 約369万ドット | 約369万ドット | 約236万ドット | 約236万ドット |
ファインダー倍率 | 0.8 倍 | 0.8 倍 | 0.8 倍 | 0.8 倍 | 0.8 倍 | 0.8 倍 | 1.02 倍 | 1.02 倍 |
ファインダー視野率 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
専用電池型番 | EN-EL18d | EN-EL15c | EN-EL15c | EN-EL15c | EN-EL15b | EN-EL15b | EN-EL25 | EN-EL25 |
撮影枚数 | ファインダー使用時:700枚 液晶モニタ使用時:740枚 | ファインダー使用時:360枚 液晶モニタ使用時:420枚 | ファインダー使用時:340枚 液晶モニタ使用時:410枚 | ファインダー使用時:390枚 液晶モニタ使用時:470枚 | ファインダー使用時:310枚 液晶モニタ使用時:380枚 | ファインダー使用時:330枚 液晶モニタ使用時:400枚 | ファインダー使用時:310枚 液晶モニタ使用時:360枚 | ファインダー使用時:280枚 液晶モニタ使用時:320枚 |
スロット | ダブルスロット | ダブルスロット | ダブルスロット | ダブルスロット | シングルスロット | シングルスロット | シングルスロット | シングルスロット |
記録メディア | XQD/CFexpress TypeB | XQD・CFexpress TypeB/SD | XQD・CFexpress TypeB/SD | SD×2 | XQD・CFexpress TypeB | XQD・CFexpress TypeB | SD | SD |
防塵・防滴 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – |
手ブレ補正機構 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | – | – |
可動式モニタ | チルト式液晶 | チルト式液晶 | チルト式液晶 | チルト式液晶 | チルト式液晶 | チルト式液晶 | バリアングル液晶 | チルト式液晶 |
インターフェース | USB Type-C、HDMI | USB Type-C、miniHDMI | USB Type-C、miniHDMI | USB Type-C、miniHDMI | USB Type-C、miniHDMI | USB Type-C、miniHDMI | USB Type-C、HDMIマイクロ | microUSB2.0、HDMIマイクロ |
AFセンサー測距点 | 493点 | 493点 | 273点 | 273点 | 273点 | 493点 | 209点 | 209点 |
動画記録画素数 | 8K30p/4K120p | 4K60p | 4K60p | 4K30p | 4K30p | 4K30p | 4K30p | 4K30p |
ファイル形式 | MOV/MP4 | MOV/MP4 | MOV/MP4 | MOV/MP4 | MOV/MP4 | MOV/MP4 | MOV/MP4 | MOV/MP4 |
映像圧縮方式 | H.265/HEVC(8bit/10bit) H.264/AVC(8bit) | H.264/MPEG-4 AVC | H.264/MPEG-4 AVC | H.264/MPEG-4 AVC | H.264/MPEG-4 AVC | H.264/MPEG-4 AVC | H.264/MPEG-4 AVC | H.264/MPEG-4 AVC |
動画最長記録時間 | 125分 | 30分 | 30分 | 30分 | 30分 | 30分 | 30分 | 30分 |
動画最大ビットレート | 400Mbps | 360Mbps | 360Mbps | 144Mbps | 144Mbps | 144Mbps | 144Mbps | 144Mbps |
重量(バッテリ、メモリ含) | 1340 g | 705 g | 705 g | 675 g | 675 g | 675 g | 445 g | 450 g |
幅x高さx奥行き | 149×149.5×90.5 mm | 134×100.5×69.5 mm | 134×100.5×69.5 mm | 134×100.5×69.5 mm | 134×100.5×67.5 mm | 134×100.5×67.5 mm | 134.5×93.5×43.5 mm | 126.5×93.5×60 mm |
その他特徴 | 4軸チルトモニター 9種類の被写体検出 3Dトラッキング リアルビューファインダー ローリングシャッター抑制 120fps11M/30fps45M 縦撮りグリップ付き ボタンイルミネーション 赤色画面表示 メカシャッター無し -10℃保証 | 動物AF 裏面照射CMOS フォーカスシフト撮影 MF回転方向切り替え | 動物AF 裏面照射CMOS フォーカスシフト撮影 MF回転方向切り替え | 動物AF フォーカスシフト撮影 | 裏面照射CMOS フォーカスシフト撮影 | 裏面照射CMOS フォーカスシフト撮影 | クラシックデザイン 操作ダイヤル 動物AF | 動物AF |
ここからはフルサイズ、APSC別に発売日が新しい順に紹介・説明します。
2.各機種の仕様詳細と特徴
2-1.Z9
一言で言うと:モンスターカメラ
特徴
ミラーレスカメラ分野で先行2社を追いかけていたニコンが、フラッグシップモデルとして一番最後に発表したのがこのZ9です。
前評判では先行2社に肩を並べることができるか懐疑的な目線もありましたが、発表されたのは、それを覆すような先進的な機能・性能を備えた突出したカメラでした。
その一番の特徴は、連写性能です。これまでの30fpsから一気にジャンプアップする120fpsの超絶高速連射性能を実現しました。
また、これまでの常識を覆すメカシャッターレスという新境地に足を踏み込みました。
一方、AF性能も大きく進化しており、動物や乗り物など9種類もの被写体を自動認識する認識技術が搭載されました。
縦グリップを備えた操作性や-10℃まで動作保証する信頼性など、これまでのニコンの特徴も受け継ぎ、プロ御用達の1台になると目されています。
・120fps高速連写
・最高1/32000の高速シャッタースピード
・8K30p/4K120pの動画性能(ニコン初の動画30分制約無し)
・4軸チルトモニター
・9種類の被写体認識AF、3Dトラッキング
・-10℃動作保証
・電池持ちがよい
・1.3kgオーバーの重さ
・一眼レフ時代とあまり変わらない大きさ
・メカシャッター無しによる実用上の支障がないか?
(ローリングシャッター歪やストロボ同調速度)
2-2.Z7II
一言で表すと:静止画番長
特徴
ニコンがフルサイズミラーレスに参入する契機となった初代Z7から2年後に発売された、2世代目のZ7シリーズです。
4575万画素の高画素を備え、静止画向けのハイエンドカメラです。
初代よりAF性能が進化しており、ソニーやキャノンに引けを取らない認識性能や、トラッキング性能を有しているとの声が高いです。
一方動画も4K60pがしっかり撮れる性能を持っており、動画ユーザーも徐々に使い始める人が出ていると聞きます。
それだけに、動画撮影連続30分制限が惜しいです。
初代から改善した点として、CFexpress typeBとSDのダブルスロットを搭載したこともあります。ここはプロからも評価されています。
・4545万画素の高画素裏面照射CMOSセンサ搭載
・AF性能(認識、トラッキング、493点という測距点の多さ)
・4K60p 360Mbpsで撮れる動画性能
・連写速度が10fpsに留まり普及機並み
・電池持ちが心もとない
・動画の30分制限
2-3.Z6II
一言で表すと:迷ったらコレ
特徴
Z7シリーズの廉価版に位置づけられるZ6シリーズの2世代目です。
普及機としてバランスの取れた使いやすい仕様です。
画素数は2450万画素という必要十分な仕様ですが、光る点として連写性能が14fpsと兄貴分のZ7IIを超えています。
動体撮影に向いています。
AF測距点は273点と初代から据え置きですが、動物AFが付くなどアルゴリズムは進化しており、Z7IIに引けを取らないAF性能を持っています。
動画も4K60pが撮れるため、ターゲット層のユーザーには十分な性能ではないでしょうか。
Zシリーズの中でどれにするか迷ったら、まずは静止画から動画まで何でもこなすこの機種を第一候補にしてみてはいかがでしょうか。
・価格とバランスの取れたちょうどよい性能
・14fpsの高速連射性能
・4K60p動画
・電池持ちが心もとない
・動画の30分制限
2-4.Z5
一言で表すと:Zマウントの誘い水
特徴
Z7IIやZ6IIなど2世代目と同時期に発売されました。
連写性能や動画性能はZ6IIから控えめに抑えられていますが、その分価格が10万円台前半で買えるという、性能から考えると大変リーズナブルといえる機種です。
この価格でも手振れ補正が付いていたり、ダブルスロットであったりと、必要な機能はしっかり搭載されています。
フルサイズZマウントをまず始めてみたいという方への最初の1台にお勧めの機種です。
・フルサイズなのに10万円台前半で買える価格
・上位機種にも搭載されている手振れ補正、ダブルスロット、AF性能など
・電池持ちが上位機種よりいい
・価格なりだが連写性能が4.5fpsしかない
・動画4K30p止まりかつ30分制限あり
2-5.Z6
一言で表すと:コスパ最強
特徴
Zマウント第一世代の中級機です。
2018年発売の機種のため価格が下がって現在コスパがかなり良くなっています。
20万円以下で買えるにもかかわらず、12fpsの高速連射性能やCFexpressTypeBカード対応など、当時の先端仕様を搭載しています。
動画は4K30p止まりになりますが、静止画動画とも十分実用的で、今から購入しても満足いくものになるでしょう。
・フルサイズ中級機なのにボディ単体は10万円台で買える価格
・12fpsの高速連射性能やCFexpressTypeBカード対応
・シングルスロット
・容量の少ない電池のため電池持ちに不安
・動画4K30p止まりかつ30分制限あり
2-6.Z7
一言で表すと:静止画隊長
特徴
記念すべきZマウント初号機です。
2018年発売の機種ですが、静止画性能においては最新機種にも遜色がなく、今でも十分選択肢に入る機種です。
一方でシングルスロットであることや動画が4K30p止まりなど、ハイエンド機種としては物足りない点もあります。
その分価格は落ち着いてきていますので、最新の機種と見比べて使い方上十分足りるという方は選ばれてもよいでしょう。
・4575万画素の高画素
・493点の測距点を持った当時の高性能AF
・シングルスロット
・容量の少ない電池のため電池持ちに不安
・動画4K30p止まりかつ30分制限あり
2-7.Z fc
一言で表すと:撮る喜びカメラ
特徴
2021年発売のAPS-C機種です。1970年代のニコンのマニュアルフィルムカメラの外観や操作系を再現し、当時のカメラの精密機械としての価値と現代のデジタルカメラの高精細な画質を両立させるカメラというコンセプトだそうです。
型名のfcとは、Fusion Casualの頭文字だそうです。
ISOダイヤルやシャッタースピードダイヤルなど、フィルムカメラ時代の写真を1枚1枚撮る喜びを思い出させてくれる、そんなカメラなのではないかと思います。
性能的にはこの後紹介する2年前のZ50からの特筆する進化は無いですが、やはりこのカメラは見た目と操作系による持つ喜び、撮る喜びを味わうために買うものだと思います。
・1970年代のマニュアルフィルムカメラの外観や操作系を再現
・持つ喜びと撮る喜びを思い出させてくれる
・外観に拘っているが価格はそこまで高くない
・小型軽量で持ち運びしやすい
・2年前の機種Z50から性能的には進化があまりない
正直、この見た目だけでもう欲しくなっちゃう
2-8.Z50
一言で表すと:実力派APSC
特徴
Zマウント初のAPSC機種です。
最近2機種目としてZ fcが発売されましたが、中身はZ50と同等なので、実質唯一のZマウントAPSCカメラといっていいでしょう。
2019年発売の機種ですが、更新する必要が無いくらい出来栄えが良く、最初から完成された機種という呼び声が高いです。他社のAPSCミラーレス機と比較しても標準的な仕様で、劣る点もほとんどありません。
しいて言えば手振れ補正が付いていないのと、電池持ちが若干悪いという点が気になるところですが、引き換えに小型軽量で持ち運びしやすいという特長を持っているためそこは一長一短でしょう。
Zマウントでは使いやすいAPSCのズームレンズも揃っていますし、今後広角の単焦点やズームの開発も予定されています。
APSCも十分おすすめできるマウントなので、今からでもこの機種を選ぶのもいいと思います。
・APSC機として完成された必要十分な性能
・10万円以下で買えるという安価な価格
・小型軽量で持ち運びしやすい
・手振れ補正がない
・電池持ちが不安
関連記事:ニコンZ50 -外観・操作性レビュー
ニコンZ50は、こちらの「【10万円で買える】おすすめの安いミラーレス一眼カメラBEST6」でもラインナップしています。
3.まとめ
本記事では、
・ニコンZマウントカメララインナップの全機種を、価格や用途別に分類したマップ
・各機種の特徴や仕様の詳細
をお伝えしました。
今後もどんな新機種がどのような位置づけで発売されるのか楽しみです。発表されたら情報を追加していく予定です。
また他メーカーのラインナップまとめも行っていきたいと思います。
機種の仕様詳細を比較したくなったり、自分に合った機種を探したくなった場合に、ぜひこの記事に戻ってきていただければ幸いです。
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