2022/10/14発売のC「FX30 」は、Cinema Line初の待望のAPSC/Super35機です。
私も普段α7IVとZV-E10を使って動画や静止画を撮影しているので、動画に特化した使いやすそうなFX30の存在はかなり気になります。
そこで、FX30の特徴や口コミや評判を徹底的に調べ上げました。ソニーCinema Line FX30は果たして買いなのか徹底レビューします!
また、ソニーCinema Line FX30におすすめのレンズも併せてお伝えします。
(こちらをクリックして先におすすめのレンズを見る)
それでは、カメラ歴15年でフォトマスター1級、しちみがお送りします。
1.ソニーCinema Line FX30の特徴
仕様比較
FX30をFX3、α7IV、ZV-E10と仕様比較します。
製品名 | FX30 | FX3 | α7IV | ZV-E10 |
kakaku.com最安価格(※) | ¥273,900 | ¥488,000 | ¥297,480 | ¥73,120 |
発売日 | 2022/10/14 | 2021/3/12 | 2021/12/17 | 2021/9/17 |
ローパスフィルターレス | – | – | – | – |
撮像素子 | APS-C | フルサイズ | フルサイズ | APS-C |
撮影感度 | 標準:ISO100~32000 | 標準:ISO80~102400 | 標準:ISO100~51200 | 標準:ISO100~32000 |
記録フォーマット | JPEG/RAW/HEIF | JPEG/RAW/HEIF | JPEG/RAW/HEIF | JPEG/RAW |
有効画素数 | 動画2010万画素 静止画2600万画素 | 動画1030万画素 静止画1210万画素 | 3300 万画素 | 2420 万画素 |
製品名 | FX30 | FX3 | α7IV | ZV-E10 |
連写撮影 | 最高1コマ/秒 | 最高10コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 | 最高約11コマ/秒 |
シャッタースピード | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/4000~30秒 |
液晶モニターサイズ | 3型(インチ) | 3型(インチ) | 3型(インチ) | 3型(インチ) |
液晶モニタードット数 | 236万ドット | 144万ドット | 103.68万ドット | 92.16万ドット |
ファインダーサイズ | – | – | 0.5型 | – |
ファインダードット数 | – | – | 約369万ドット | – |
ファインダー倍率 | – | – | 0.78倍 | – |
ファインダー視野率(上下/左右) | – | – | 100/100 | – |
製品名 | FX30 | FX3 | α7IV | ZV-E10 |
専用電池型番 | NP-FZ100 | NP-FZ100 | NP-FZ100 | NP-FW50 |
撮影枚数 | 液晶モニタ使用時:570枚 | 液晶モニタ使用時:580枚 | 液晶モニタ使用時:580枚 | 液晶モニタ使用時:440枚 |
スロット | ダブルスロット | ダブルスロット | ダブルスロット | シングルスロット |
記録メディア | SD・CFexpressTypeA×2 | SD・CFexpressTypeA×2 | SD・CFexpressTypeA/SD | SD・MS |
防塵・防滴 | ○ | ○ | ○ | – |
手ブレ補正機構 | ○ | ○ | ○ | – |
可動式モニタ | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 |
インターフェース | マイクロUSB、USB Type-C、HDMI | マイクロUSB、USB Type-C、HDMI | マイクロUSB、USB Type-C、HDMI | USB Type-C、HDMIマイクロ |
AFセンサー測距点 | 759点 | 759点 | 759点 | 425点 |
製品名 | FX30 | FX3 | α7IV | ZV-E10 |
動画記録画素数 | 4K60p | 4K60p | 4K60p | 4K30p |
ファイル形式 | XAVC S/XAVC HS | XAVC S/XAVC HS | XAVC S/XAVC HS | XAVC S |
映像圧縮方式 | MPEG-4 AVC/H.264 MPEG-H HEVC/H.265 | MPEG-4 AVC/H.264 MPEG-H HEVC/H.265 | MPEG-4 AVC/H.264 MPEG-H HEVC/H.265 | MPEG-4 AVC/H.264 |
動画最長記録時間 | 約175分 | 約135分 | 約175分 | 約125分 |
動画最大ビットレート | 600Mbps | 600Mbps | 600Mbps | 100Mbps |
重量 | 645 g | 715 g | 658 g | 343 g |
幅x高さx奥行き | 129.7×77.8×84.5 mm | 129.7×77.8×84.5 mm | 131.3×96.4×79.8 mm | 115.2×64.2×44.8 mm |
その他特徴 | 裏面照射CMOS リアルタイムトラッキング 動物、鳥AF 手振れ補正アクティブモード ブリージング補正 フォーカスマップ クリエイティブルック S-Cinetone 新メニュー | 裏面照射CMOS リアルタイムトラッキング 手振れ補正アクティブモード クリエイティブルック S-Cinetone 新メニュー | 裏面照射CMOS リアルタイムトラッキング 動物、鳥AF 手振れ補正アクティブモード ブリージング補正 フォーカスマップ クリエイティブルック S-Cinetone 新メニュー | 背景ぼけ切り替え機能 商品レビュー用設定 美肌効果 顔優先AE 指向性3カプセルマイク 手振れ補正アクティブモード リアルタイムトラッキング 動物AF |
FX30の3つの特徴
動画撮影にベストな画素数
2010万画素という動画にバランスの取れた画素数を持っています。
6K(18M)から4K(8M)にオーバーサンプリングするため、シャープな画作りです。
フルサイズのFX3より優位な点といえます。
α7IVから受け継いだ最新のカメラ機能
α7IVから最新の機能を多く受け継いでいます。
- 動物AF
- 鳥瞳AF
- ブリージング補正
- フォーカスマップ など
動画撮影をより快適にしてくれる機能が豊富です。
FX3を受け継いだ動画撮影に適した機能
フルサイズのFX3からももちろん多くの本格的な動画撮影に必要な特徴を受け継いでいます。
- 動画撮影を補助するアクセサリー取付穴
- 3面のタリ—ランプ など
また、フレキシブルな撮影を補助するXLRハンドルユニットは別売りバージョンも登場。必要な人だけ買い求めらるようにすることで、価格の抑制が図られています。
2.ソニーCinema Line FX30の口コミ・評判を徹底レビュー
口コミ・評判で気になるものをピックアップしてみます。
ここがGood
シネマカメラの機能とデザイン、Cinema Line LUTとログモード、優れた造りの品質、4K120p(クロップはされる)、価格が安価。
https://digicame-info.com/2022/09/fx30-1.html
FX30の絶対的な勝利に見える。カジュアルなブイロガーやスチルも撮る人は従来のミラーレスカメラを好むかもしれないが、スキルをシネマカメラの領域に広げたい野心的な映像制作者にとってFX30は完璧なカメラに見える。ソニーは本格的なシネマカメラを通常のミラーレスカメラの価格で作ってしまった。
https://digicame-info.com/2022/09/fx30-1.html
カメラに5つ星の評価をつけるのはリスクを伴うが、FX30はそれに値するカメラだ。FX30は(コンシューマー向けの)ミラーレスカメラの価格の本格的なシネマカメラで、野心的なクリエイターがプロのスキルを身につけるのに最適なカメラだ。
https://digicame-info.com/2022/09/fx30-1.html
これから動画撮影に本格的に挑戦したいのであれば、操作性や機能がCinema Line上級機に通ずる「FX30」は最適の選択かもしれない。
https://capa.getnavi.jp/news/418137/
FX30のいいところ
— うさ夫 (@usaotoday) June 16, 2023
・普通のサイズのHDMIが刺せる
・USBCで外部バッテリー直挿できる pic.twitter.com/xJmclYxq6O
北欧の森北イメージしたオリジナルLUT【metsa】
— 住むアトリエ (@atelierinmyhome) June 16, 2023
動画の色作りは楽しい。#fx30#originallut#lut#森#住むアトリエ pic.twitter.com/Dt0IZcg9ic
ここが気になる
EVF非搭載、3インチモニタは小さく感じる、IBISがあまり効果的ではない。
https://digicame-info.com/2022/09/fx30-1.html
思ったよりローリング歪み酷くて残念。もう少し頑張って欲しかった。
https://digicame-info.com/2022/09/fx30-1.html
動画しか撮らない人には非常に魅力的な製品と思いますが、スチルも動画もと考えている人にとっては、単写のみでストロボ同調不可というのはスチルの撮影にはちょっと厳しそうです。
https://digicame-info.com/2022/09/fx30-1.html
SONY FX30 のバッテリー持ちの話。
— 美味い魚を釣れ (@umisakanaoture) January 14, 2023
XAVC HS 4K 60p 45M 4:2:0 10bit(4K60p で一番低い画質)ではギリギリ100分ってとこですね。
当然こんなカメラでは4K使いたいですよね? ちょっと短いなあ。
まぁ正直FX30で撮ったらGH5で撮ったときのようなワクワク感やすげぇー!みたいなのは何一つなかった。
— ちゃんつじ (@ahina) June 23, 2023
安定して4K/60Pが撮れる、AFがごっつういい感じ、それだけ。でもそれだけのために買ってるというところがある。安定性とAFは捨てがたい。
動画機としては手頃な価格で本格的なシネマカメラに匹敵するような機能を備えているという点で、大変評価が高いですね。
一方、EVFなし、連写ができないという点で静止画を撮るのには向いていない、残念という声が多かったです。
やはり静止画はほとんど撮らないけど動画を本格的に撮りたいという方にフィットするカメラのようです。
3.ソニーCinema Line FX30のメリット
ここからはFX30のメリットを見ていきます。
基本性能が高い
最新のイメージセンサ―、画像処理プロセッサーを搭載し、基本画質が高いです。
14ストップという広いダイナミックレンジを持っており、光の明暗を豊かに表現できます。
また、ISO800とISO2500の2つの基準ISO感度を持っているという特徴があります。
通常であればISO2500まで上げるとノイズが目立ってきますが、FX30のISO2500ではノイズが最小限に抑えられます。
暗い場面での画質が向上します。
また、AF性能もα7IV譲りの最新の性能を備え、正確で素早く瞳にフォーカスを合わせることができます。
タッチセンサーでフォーカス対象を選ぶことができるのも、動画撮影に嬉しい機能です。
動画撮影の幅を広げる機能が豊富
動画撮影の幅を広げる様々な仕様や機能を持っています。
動画撮影用のハンドルやリグなどのアクセサリーを付けるためのねじがデフォルトでカメラについています。
これは、機材が軽くなり、煩雑さが減って機動性が高くなります。
移動しながらの撮影もしやすくなりました。
フルサイズ機のFX3同様に、XLRハンドルユニットが装着できます。これによって、ハンドルを握ってのローアングルでの撮影がしやすくなりました。
また、高性能なXLRマイクを装着できるため、音にもこだわった撮影が容易にできます。
また、α7IVから搭載された動画撮影に嬉しい新しい機能も受け継いでいます。
- ジンバルいらずで手持ち撮影を可能にする手振れ補正アクティブモード
関連記事:ソニーα7IVの手振れ補正アクティブモードを検証 - フォーカス駆動時に画角変動を電子的に抑えるブリージング補正
人差し指でズームができるズームレバーは、パワーズームレンズと組み合わせることで撮影中のスムーズなズーム表現を可能にします。
ズームスピードも8段階に変えられるので、自分に合った使い方ができます。
録画中であることを見た目で分かりやすく示してくれるタリーランプを前面、上面、背面とどこからでも見える位置に配置し、録画ミスを防いでくれます。
本格的な動画撮影カメラとすると価格が安い
最後に価格ですが、これまで動画撮影のプロが本格的に使うカメラは50万円くらいすることが当たり前でした。
このFX30は、プロの撮影に応える様々な動画撮影機能を搭載しながらも、手が届きやすい20万円台という破格の安さで登場しています。
いままで本格的な機材に手が出せなかった個人のクリエイターたちがこぞって求めることは間違いないでしょう。
4.ソニーCinema Line FX30のデメリット
動画撮影においてはいいとこずくめのFX30ですが、逆にデメリットはどこでしょうか?
連写ができない
連写ができないというのは静止画撮影する人にとっては大きなデメリットに感じることでしょう。
フルサイズのFX3は10コマ/秒の連写ができました。少なくとも5コマ/秒くらいの連写は欲しかったです。
動画も静止画も1台で撮りたいという人にはちょっと使いこなしが難しそうです。
APSC機の割にサイズが多きい
カメラの外観とサイズはフルサイズのFX3と全く同じです。ということは、APSC機としてはサイズが大きい方になります。
同じAPSC機のZV-E10と比較すると↓のように大きさも重さもだいぶ違うことが分かります。
サイズ重量が重いと使いにくいという人もいいるかもしれませんが、その分、筐体に余裕を持った構造となっており、排熱のしやすさやハンドリングなど長時間の動画撮影を快適に行える工夫ともえるでしょう。
他のAPSC機と比較すると価格が高い
また本格的な動画撮影カメラとして作られたFX30は、一般向けのAPSCミラーレスカメラとしてみた時は、価格が高い方になります。
さきほどのZV-E10との比較するとこのように、大きな価格差があります。
FX30 | ZV-E10 |
¥273,900(※1) | ¥73,120(※2) |
(※2)2022/10/1 kakaku.com最安価格
FX30は通常のAPSCミラーレスカメラとしてではなく、動画撮影機能の価値を見出せる人こそ使いたいカメラです。
一方、ZV-E10はvlogを始め気軽に動画をミラーレス画質で撮影できる万人におすすめできる機種です。
ZV-E10とFX30と用途によって使い分ける、というのもいいでしょう。
関連記事:ZV-E10の実機詳細レビュー
5.ソニーCinema Line FX30はこんな人におすすめ
これまで調べてきた口コミ、評判やメリットデメリットから分かった、FX30をおすすめしたい人はこんな人です。
このどれかに当てはまる人には、FX30はめちゃくちゃ刺さるはずです。
6.ソニーCinema Line FX30におすすめのレンズ2選
FX30と一緒に使うのに特におすすめのレンズを2本ご紹介します。
E PZ 10-20mm F4 G
名称 | E PZ 10-20mm F4 G |
型名 | SELP1020G |
対応フォーマット | APSC |
焦点距離 | 10-20mm (フルサイズ換算15-30mm) |
F値 | F4 |
最短撮影距離 | 0.2m(AF時)/0.13m(MF時) |
最大撮影倍率 | 0.14倍(AF時)/0.18倍(MF時) |
手ブレ補正機構 | ー |
フィルター径 | Φ62 mm |
最大径x長さ | Φ69.8×55 mm |
重量 | 178 g |
発売 | 2022年6月 |
- フルサイズ換算15-30mmという超広角から準標準域の使いやすい画角
- 動画撮影で使いやすいパワーズーム
- 超広角ズームレンズにもかかわらず超小型軽量
- MF時0.18倍まで寄れる至近性能の高さ
コンパクトさに定評のある超広角パワーズームレンズです。FX30と組み合わせると機動性の高い撮影スタイルが可能です。
2022年6月発売の最新のGレンズで、写りにも定評があります。
0.18倍という倍率まで寄れるのがポイントで、物撮りにもしっかり使えます。
風景、vlog、人物撮影から物撮りまでこなすFX30に必須の1本です。
E PZ 18-105mm F4 G OSS
名称 | E PZ 18-105mm F4 G OSS |
型名 | SELP18105G |
対応フォーマット | APSC |
焦点距離 | 18-105 mm (フルサイズ換算27-157.5mm) |
F値 | F4 |
最短撮影距離 | 0.45m |
最大撮影倍率 | 0.11倍 |
手ブレ補正機構 | 〇 |
フィルター径 | Φ72 mm |
最大径x長さ | Φ78×110 mm |
重量 | 427 g |
発売 | 2013年12月 |
- フルサイズ換算27-157.5mmという広い画角対応域
- 動画撮影で使いやすいパワーズーム
- 高倍率なパワーズームレンズにもかかわらず小型軽量
発売されて約10年たちますが、今でも評判の高いロングセラーのパワーズームレンズです。
フルサイズ換算27mmから157.5mmまで撮れる広い画角域が魅力です。超解像ズームを使うと、望遠端は315mmまで伸ばせます。
これ1本で文字通り何でも撮れると言っても過言でないかもしれません。
写りもGレンズにふさわしい高品位な画質を保っています。
それでいて、427gという軽量で、FX30と組み合わせても約1kg程度と手持ちで撮影しても疲れない軽量システムが組めます。
こちらもFX30に必須の1本です。
7.まとめ
この記事では
- ソニーCinema Line FX30の特徴
- ソニーCinema Line FX30の口コミや評判
- ソニーCinema Line FX30につけるおすすめのレンズ
をお伝えしました。
FX30は本格的なシネマティック動画を手の届く価格で始めてみたい、というクリエイティブな人におすすめの1台です。
Eマウントには、動画で使いやすいパワーズームレンズがいくつも揃っていますので、この機会にFX30で本格的な動画撮影を始めてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ちょっとした工夫でソニーのカメラをどこよりも安く買うことができます。知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
また、新たにフルサイズのVlog用カメラであるZV-E1 が登場しました。普段取っているスマホやコンデジ、APSCカメラでの画質からさらにクオリティの高い動画を撮りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。