【徹底解説】ソニーZV-E10 -機能編-【新機能を検証】

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シリーズでお送りしているソニーZV-E10の徹底解説。

前回の外観・操作性編に続き、今回は機能編です。

こちらもロングセラーのAPSCカメラα6400 iconとの比較をしてみたいと思います。

この記事でわかること
  • ソニーZV-E10の進化した機能
\実使用レビューと作例はこちら/

それでは、カメラ歴15年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。

1.徹底解説ソニーZV-E10機能編

仕様比較表

ZV-E10とα6400の主な仕様23項目を比較しました。

結論:基本性能はα6400とほぼ同じ。一部機能で差がありました。

  • ファインダー有無
  • 電池持ち
  • 液晶モニター可動タイプ
  • サイズ重量
  • 価格
ZV-E10α6400 icon
発売日2021年9月発売2019年2月発売
ファインダー形式1.0cm電子ビューファインダー 235万ドット
撮影枚数液晶モニタ使用時:440枚ファインダー使用時:約360枚 液晶モニター使用時:約410枚
可動式モニタバリアングル液晶チルト可動式液晶
インターフェースUSB Type-C、HDMIマイクロマイクロUSB Type-B、HDMIマイクロ
重量(バッテリーとメモリーカードを含む)343 g403g
参考価格\88,000\130,900
その他機能電子式手振れ補正アクティブモード 背景ぼけ切り替え機能 商品レビュー機能2019年2月発売
↓全項目を見るにはクリック

青字が有利な点です。

ZV-E10(2021年9月発売)α6400 (2019年2月発売)
有効画素数2420 万画素2420 万画素
撮影感度標準:ISO100~32000
拡張:ISO50~51200
標準:ISO100~32000
拡張:ISO100~102400
記録フォーマットJPEG/RAWJPEG/RAW
連写撮影Hi+時:最高約11コマ/秒Hi+:最高約11コマ/秒
シャッタースピード1/4000~30秒1/4000~30秒
液晶モニター3型(4:3) 92万ドット3型(4:3) 92万ドット
ファインダー形式1.0cm電子ビューファインダー 235万ドット
ファインダー倍率1.07倍(35mm換算0.70 倍)
ファインダー視野率100%
撮影枚数液晶モニタ使用時:440枚ファインダー使用時:約360枚
液晶モニター使用時:約410枚
スロット・記録メディアシングルスロット SDカード/メモリースティックDuoシングルスロット SDカード/メモリースティックDuo
可動式モニタバリアングル液晶チルト可動式液晶
インターフェースUSB Type-C、HDMIマイクロマイクロUSB Type-B、HDMIマイクロ
AFセンサー測距点425点(位相差検出方式)425点(位相差検出方式)
動画方式4K30p 4:2:0 8bit
最高ビットレート:100Mpbs
4K30p 4:2:0 8bit
最高ビットレート:100Mpbs
動画ファイル形式XAVC SXAVC S/AVCHD規格 Ver.2.0準拠
映像圧縮方式XAVC S:MPEG-4 AVC/H.264MPEG-4 AVC/H.264
音声記録方式LPCM 2chLPCM 2ch/Dolby Digital (AC-3) 2ch
NFC
サイズ:幅x高さx奥行き115.2×64.2×44.8 mm120.0×66.9×49.9 mm
重量(バッテリーとメモリーカードを含む)343 g403 g
参考価格※\88,000\130,900
その他機能電子式手振れ補正アクティブモード
背景ぼけ切り替え機能
商品レビュー機能
※2022/9/3 ソニーストア価格
詳細レビュー

豊富な写真でZV-E10とα6400をレビューしています。ぜひ併せてご覧ください。

ZV-E10には動画やvlogに便利な新機能がついていますが、それでいて、ZV-E10のほうが大幅にお安くなっています。

動画ユーザーはもちろん静止画ユーザにも魅力的な進化を遂げています。

それでは各項目を詳しく見ていきましょう。

画質・音質

画素数は2420万画素と、APSCとしてはこれ以上は必要ないと思われる十分な画素数です。

また、動画方式は4K30pに対応します。

SNSに上げて共有する動画やvlog動画としては十分な品質です。

音質も上面に大きな3カプセル指向性マイクを備え、ウィンドスクリーン(トップのもふもふ)で風切り音を抑えれば内蔵マイクだけで事足りることが多いでしょう。

ウィンドスクリーンの効果を検証してみました。

次の二つの動画はウィンドスクリーン有り無しで同じ場面を撮影しました。

▼ウィンドスクリーンあり

▼ウィンドスクリーンなし

この日は風がそこそこ強い日でした。

ウィンドスクリーンありでは風切り音はほとんど聞こえませんが、ウィンドスクリーンなしでは風切り音が大きく聞こえます。

また、やはりウィンドスクリーンありのほうが、周りの子供の声がよく聞こえます。

基本的に屋外の撮影ではウィンドスクリーンありで使用することをおすすめします。

液晶画面

液晶画面はスペックこそ、α6400と変わらないように見えますが、実際は画面が明るくなって発色も良くなっているように感じます。

EVF(ファインダー)が無いだけに、撮影の際はこの画面に頼ることになりますので、見やすくなっているのはありがたいです。

明るい日中の屋外でも困ることは少なそうです。

メニュー

メニューは大項目と小項目に分かれた2階層タイプです。

目的の項目までたどり着くのに横ボタンを押す回数が多くなりがちなので、最新のハイエンド機等ではより選択しやすいメニュー型式が使われるようになっていますが、このあたりでコスト削減しているのかもしれません。

よく使う項目はマイメニューに登録しておくことで、操作の手間を省けるため、問題ないでしょう。工夫して使えば、使い勝手が向上します。

AF

AFは評判の高いα6400と同様の性能を持っています。

スポーツや鳥など動きの速い被写体もしっかり追い続けます。(像面位相差の測距点が多いため動体追従性が高い)

また、連写速度が最大11コマ/秒と、フルサイズのスタンダード機α7IVより高い数字を誇ります。

静止画撮影にも十分なAF性能を持っていることが分かります。

動画もコンテニュアスAFで被写体をしっかり追い続けます。

認識技術は、瞳AFに加えて、動物認識も搭載しているため、ペットや動物園での撮影でも力を発揮します。

手振れ補正(アクティブモード)

ボディ内手振れ補正は非搭載のため、静止画撮影では手振れ補正が効きません。

ただし、レンズ内手振れ補正を搭載したレンズと組み合わせて使えば手振れ補正の問題は解決します。

また、動画では電子手振れ補正アクティブモードを備え、特に広角レンズの歩き撮りに威力を発揮します。

若干クロップされ画角が狭まりますが、フルサイズ換算16~20mmの超広角レンズを使えば特に不便は感じないと思います。

ジンバルなし手持ちでも、クオリティの高い動画が撮れます。

今後、ZV-E10の電子手振れ補正アクティブモードの性能は実際に撮った動画で効き具合を検証してみたいと思います。

α7IVのボディ内手振れ補正機構によるアクティブモードとも比較した記事はこちら。

USBストリーミング

PCやスマホとUSB接続するだけで、お手軽に高画質WEBカメラとして使うことが出来ます。

HD720 30fpsという高品質な映像に対応しており、お手軽にこだわりの画質で配信が出来ます。

リモートワークのカメラとしても使ってみてはいかがでしょう。

スマホ連携

Wi-Fiによるスマホ連携ができます。

NFCやBluetoothは搭載していないので、カメラ側とスマホアプリ側での接続操作が必要になります。

カメラ側では下記のスマートフォン接続項目を押しておきます。

スマホ側ではImaging Edge Mobileを立ち上げ、ZV-E10に接続というボタンを押して、接続します。

接続した後は、カメラ内の画像をスマホ側で見たり、スマホに取り込んだりすることができます。

また、スマホ画面でのリモート撮影も可能です。

特に右下にW|Tとあるボタンで、ズームもできます。

ほとんどの撮影の設定や操作がスマホでできるので、使ってみると様々な場面で活躍します。

ズーム機能

動画向けカメラだけあって、ズームレバーを備えています。

ズームレバーはシャッターボタンの周りに配置されています。

ズームレバーをW|Tの方にそれぞれ動かします

このレバーが結構便利で、動画撮影中のズーム動作だけでなく、画像の拡大縮小などにも直感的に使えます。

また、ズーム速度は8段階で切り替えることができます。

キットレンズ E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSSにて、速度の違いを検証してみました。

なおこの時は光学ズームだけでなく、超解像ズームにも入る設定にしてあります。

▼ズームスピード1(最遅)

▼ズームスピード4(中間)

▼ズームスピード8(最速)

このレンズだと、ズームスピード8は速すぎて動画で使うには不便です。

よく聞くと、ズームモーターのノイズも拾ってしまっています。

ズームスピード4でもまだ速すぎるので、動画で使う時はズームスピード1あたりがいいでしょう。

静止画ではズームは速いに越したことはないので、ズームスピード8で使って問題ないです。

ちなみに同じ設定でもレンズによってズームスピードは変わるようなので、今後別のレンズでも検証してみたいと思います。

タリーランプ

動画録画時に、録画されていることが一目で分かるようにタリーランプが搭載されています。

正面から見た時はSONYロゴの下に赤いランプが点灯します。

また、画面を見ていても確認できるように、録画中には液晶画面の外周が赤枠で囲われます。

これは直感的でとてもありがたい。

録画したつもりが撮れていなかったという失敗はよく起こります。

撮り直しなんてできないケースもあるので、動画向けのカメラとしてタリーランプは必須の機能です。

ZV-E10はしっかりタリーランプを搭載しているので、安心できます。

背景ぼけ切り替え機能

ZV-E10にしかない面白い機能です。

C1ボタンと兼用の背景ぼけ切り替えボタンが設けられています。

通常背景のボケ具合を変えたい場合は、絞り値(F値)を調節します。

しかし、vlog撮影時など一発で背景のボケ具合を切り替えたい時向けに、ボタンを1度押すだけでそれができるようになっています。

実際どれくらいボケが変わるのか試してみました。(開放F1.8のレンズを付けて静止画モードで試しました)

▼背景のぼけ:ボケ

F値は開放F1.8になりました。

▼背景のぼけ:くっきり

F値はF11になりました。

「背景のぼけ:ボケ」のときは、そのレンズの開放F値になり、
「背景のぼけ:くっきり」のときは、どのレンズを使っても静止画モードのときは必ずF11、動画モードの時は必ずF8になるようです。

完全に意図通りにボケ具合が変わるかは分かりませんが、背景をある程度ぼかしたい or くっきりさせたいときにすぐに変化させられるのは便利なシーンもありそうだなと思いました。

ZV-E10だけのオリジナルの機能なのでぜひ試してみてください。

2.まとめ

今回の機能編では、

  • ソニーZV-E10の進化した機能

について詳しく見ていきました。

操作性だけではなく機能面においても、これまでのAPSCカメラから進化しています。

特にズームレバーや、背景ボケ切り替え機能など、動画向けに新しい機能を追加していることが分かります。動画を撮る際痒い所に手が届く、便利な機能です。

静止画の場合は、画素数やAF性能など基本機能は、従来のα6400など静止画向けに作られたカメラと遜色ありません。操作性など一部物足りなさはありますが、10万円を切る価格帯ということを考えると、十分すぎると感じます。

静止画も動画も気軽にきれいに撮りたいという初心者の方に特におすすめの機種と感じました。

価格もソニーEマウントカメラの中では一番安い機種ですので、最初の1台に手に取ってみてはいかがでしょうか。

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