Eマウントの単焦点レンズは、写りとコンパクトさで評判の高いレンズが多いです。その中でも今回は神レンズと名高い単焦点レンズ「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」を作例豊富にレビューします。
55mmはポートレートに最適な画角。さらにZEISS独特の色とボケ味が存分に発揮され今までのレンズとは一味も二味も違った写りが楽しめます。
写りだけで言えば一番好きで、今小学生の娘を誕生からともに追いかけてきた大切なレンズです
このSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)がおすすめなのは、次のような使い方をしたいあなたです。
最初に、カメラ歴15年でフォトマスター1級のしちみが使って分かったメリットデメリットを正直にまとめます。
メリット | デメリット |
・神レンズの名にふさわしい圧巻の描写力 ・それでいて小型軽量 ・金属外装で高級感のある作り | ・寄れない ・フォーカス性能は最新機種に劣る ・操作部材が乏しい |
それでは、単焦点レンズ「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」について詳しく見ていきましょう。
1.【SEL55F18Z】Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAの仕様と特徴
名称 | Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA |
型名 | SEL55F18Z |
対応フォーマット | フルサイズ |
焦点距離 | 55mm |
レンズ構成 | 5-7 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
開放絞り | F1.8 |
最小絞り | F22 |
最短撮影距離 | 0.5m |
最大撮影倍率 | 0.14倍 |
手ブレ補正機構 | ー |
フィルター径 | Φ49mm |
サイズ | Φ64.4 × 70.5mm |
重量 | 約281g |
発売 | 2013年12月 |
2.【SEL55F18Z】Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAのメリット
ここからは実際に使って感じたSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)のメリットをお伝えします。
このレンズのメリットは次の3つです。
それぞれ解説します。
神レンズの名にふさわしい圧巻の描写力
発売日は2013年12月。初代フルサイズミラーレスのα7が出たのと同時期と早い時期ですが、9年たった今も人気ランキングの上位に顔を出します。
その理由がCarl Zeissのブランドを冠したその写りにあります。
MTF(解像度)こそ見かけ上は最新のレンズに劣る部分もありますが、ゴーストフレア特性やボケ味、色味も含めた総合的な画質が長年にわたって評価されています。
55mmという写真の基本となる標準画角であることも相まって、ポートレート撮影に適した人気のあるレンズです。
画質の良し悪しは、本来感性的なものであり数字や言葉で表現することや難しいのですが、実際にご自分で使ってみるとその評判に納得されるでしょう。
それでいて小型軽量
さらに、小型軽量サイズであることも、このレンズが評価されている理由の一つです。
55mmという画角は常用するには少し狭すぎると感じることがあります。ポートレートには最適ですが、風景やスナップではもう少し広角を使いたくなります。
なので、このレンズはつけっぱなしにするというよりは、ここぞという場面で印象的な画を撮りたい時に使うことが多いです。
片手に収まるサイズで重さも気にならないこのレンズは、追加でもう1本、何を選ぶかという時に必然的に選択肢に入っています。
ズームレンズとは全く違った雰囲気の写りが出せるため、追加で持って行ってよかったと思うことの多いレンズです。
子供の幼少期っていくらでも写真を撮りたくなったものですが、あとから振り返るとかなりの割合でこの「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)」を使っています。
金属外装で高級感のある作り
手に持つとすぐに分かる作りの良さ。外装は金属でできており、中身の詰まった凝縮感を感じます。
シンプルで余計なものがないデザインもも高級感を演出しています。
フォーカスリングには滑り止めのゴムはついていませんが、回し心地も良く、高い質感を感じます。
そしてZEISS銘の青いバッジがこのレンズの存在価値を高めており、所有する満足感を味わえます。
3.【SEL55F18Z】Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAのデメリット
ここからは実際に使って感じたSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)のデメリットをお伝えします。
このレンズのデメリットは次の3つです。
詳しく解説します。
寄れない
このレンズは最短撮影距離は50cmと、最近のレンズに比べるとあまり寄れません。
それが例えばFE 35mm F1.8だと、22cmまで寄れます。
50cmまでしか寄れないと、どういう時に不便かというと、料理などのテーブルフォト撮影時に少しのけぞって撮ることになります。被写体から少し離れて撮る必要があります。また、花などを拡大してマクロ的に撮ることもできません。
そのためこのレンズ1本だけだと撮れる幅としては狭くなります。他の単焦点レンズやズームレンズと組み合わせて使うことをおすすめします。
フォーカス性能は最新機種に劣る
発売時期が古いためか、オートフォーカス性能は最近のソニーのレンズに比べて少し弱いと感じることがあります。
明るい場所ではほとんど問題ないのですが、少し暗い場面や夜間では、フォーカスが迷ったり、外れていたりすることがたまに起こります。
ただ、スペック的にあまり動く被写体を追うレンズでもないので、ほとんどの場面で問題になることはありません。
子供の日常撮影といった程度の動きでは十分追えます。
しっかりピントを確認しながら撮れば大丈夫でしょう。
操作部材が乏しい
最近のソニーレンズでは必ずついている、AF/MF切り替えスイッチとフォーカスホールドボタンはありません。
ボディ側の操作でも代替可能なので、致命的というわけではありませんが、他のレンズと操作感が変わってしまうため、不便を感じることがあります。
特に私はフォーカスホールドボタンにAPSCクロップモードを割り当てています。
≫α7IVのAPSCクロップモードが超便利
これが使えないことになります。
ただ、出てくる画の写りは替えのないものであり全く不満がありません。そのため、多少操作性が悪くても使い続けたいと思わせる、人気がうなずけるレンズです。
4.【SEL55F18Z】Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAはこんな人におすすめ
以上のメリットデメリットを踏まえてSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)がどんな人におすすめかお伝えします。
これまでのレンズとは写りの質の違う独特なレンズですが、サイズも価格も手頃で、万人におすすめできる1本です。
特に、人物撮影に力を発揮しますので、ここぞという時に子供や家族を撮るのに最適なレンズです。
5.【SEL55F18Z】Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAの作例
ここからはSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)の作例をいくつか紹介します。
6.まとめ:神レンズの名に相応しい描写力 ポートレートに必携
この記事では
- Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)の特徴
- Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA(SEL55F18Z)を実際に使って分かったメリットデメリット
をお伝えしました。
最後にもう一度このレンズのメリットデメリットをまとめます。
メリット | デメリット |
・神レンズの名にふさわしい圧巻の描写力 ・それでいて小型軽量 ・金属外装で高級感のある作り | ・寄れない ・フォーカス性能は最新機種に劣る ・操作部材が乏しい |
手頃な価格とサイズなのに、ZEISSブランドの独特の写りを楽しめます。
55mmという少し狭めの画角と、あまり寄れない点で使いこなすのに少し難しさを感じるかもしれませんが、それも含めて撮る楽しさを味わえるレンズです。
自分で構図と背景を考えてシャッターを押した瞬間に、イメージ通りの写真が撮れた時は撮る喜びを感じます。
そんなオールドレンズにも似た楽しさを味わうことが出来る、最近では珍しいレンズです。
Eマウントユーザーはこのレンズでぜひ撮影の奥深さを味わっていただきたいです。
当ブログでは、他にもソニーEマウント(フルサイズ)のレンズを紹介しています。
ズームレンズ(広角・標準・望遠)、単焦点レンズ(広角・標準・マクロ)からコスパのいい神レンズをそれぞれご紹介しているので、撮影の目的に合ったレンズにきっと出会えます。