ソニーα7IV徹底解説| 3.機能編【α7IIIとの違い丸わかり】

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シリーズでお送りしているソニーα7IV iconの徹底解説。

今回は3.機能編です。

この記事でわかること

・ソニーα7IVの進化した機能

しちみ
しちみ

主にα7IIIからの進化ポイントを解説していきます!

発売当初から使い続けてわかったメリット・デメリットをまとめたこちらの記事もおすすめです。

それでは、カメラ歴17年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。

1.徹底解説ソニーα7IV機能編

1-1.仕様比較表

はじめにα7IVとα7IIIの主な仕様比較を載せます。青字が有利な点です。

 α7IV(2021年12月発売)α7III (2018年3月発売)
有効画素数3300 万画素2420 万画素
撮影感度標準:ISO100~51200 拡張:ISO50~204800標準:ISO100~51200 拡張:ISO50~204800
記録フォーマットJPEG/RAW/HEIFJPEG/RAW
連写撮影Hi+時:最高約10コマ/秒Hi+:最高約10コマ/秒
シャッタースピード1/8000~30秒1/8000~30秒
液晶モニター3型(3:2) 103万ドット3型(4:3) 92万ドット
ファインダー形式電子ビューファインダー Quad-VGA OLED 368ドット電子ビューファインダー XGA OLED Tru-Finder 235万ドット
ファインダー倍率0.78 倍0.78 倍
ファインダー視野率100%100%
撮影枚数ファインダー使用時:520枚 液晶モニタ使用時:580枚ファインダー使用時:610枚 液晶モニタ使用時:710枚
スロット・記録メディアダブルスロット SDカード・CFexpressカードTypeA/SDカードダブルスロット SDカード/SD・MSカード
可動式モニタバリアングル液晶チルト可動式液晶
インターフェースマイクロUSB、USB Type-C、HDMIマイクロUSB、USB Type-C、HDMIマイクロ
AFセンサー測距点(フルサイズ時)759点(位相差検出方式)693点(位相差検出方式)
動画方式4K60p(APSCクロップ) 4:2:2 10bit 最高ビットレート:600Mpbs4K30p 4:2:0 8bit 最高ビットレート:100Mpbs
動画ファイル形式XAVC S/XAVC HSXAVC S/AVCHD規格 Ver.2.0準拠
映像圧縮方式XAVC S:MPEG-4 AVC/H.264 XAVC HS:MPEG-H HEVC/H.265MPEG-4 AVC/H.264
音声記録方式LPCM 2ch(48kHz 16bit)LPCM 2ch/Dolby Digital (AC-3) 2ch
NFC
サイズ:幅x高さx奥行き131.3×96.4×79.8 mm126.9×95.6×73.7 mm
重量(本体のみ)573 g565 g

これを見ると撮影枚数以外、すべての項目でα7IVが有利なことが分かります。

しちみ
しちみ

3年半の進化はすごいですね

価格の差も納得できるのではないでしょうか。

それでは各項目を詳しく見ていきましょう。

1-2.画質

シチミカメラ

画素数が2420万画素⇒3300万画素に増えました

α7IIIの2420万画素でも十分使える画素数でしたが、解像度を求めるなら多いに越したことはないでしょう。

3300万画素はAPSCクロップしても約1400万画素残るので、多すぎず少なすぎず使い勝手の良い絶妙な画素数だと思います。

これ以上画素数が多いとデータ容量が大きくなることが気になってきます。

\α7IVのAPSCクロップモードの記事はこちら/

また記録フォーマットはHEIF形式に対応しました。

使い勝手はJPEGに劣りますが、高画質なままデータ容量を圧縮したい人にはうれしい仕様です。

また、動画方式は4K60pに対応しました。(ただしAPSCクロップされます。)

カラーサンプリングは4:2:2 10bit、最高ビットレートは600Mpbs。

このような高画質な動画を扱うには高SPECなPCが必要なので、ここまで必要な人は少ないかも知れませんが、ここぞという時に高画質な動画が撮れるというポテンシャルはありがたいですよね。

α7SIIIから導入された新しいファイル形式のXAVC HSに対応しています。

XAVC HSはXAVC Sに対して同じ画質でデータ容量が半分というメリットがあるので、4Kで撮るときは積極的に使っていきたいです。

1-3.EVF

α7IVのEVFをスマホカメラで撮ってみました。(伝わりづらくてすみません。。)

シチミカメラ

ドット数の数字的にはそこまで進化していないように見えますが、実際に覗いてみるとかなり見やすくなっています。

発色が良くなり、明るくなっているようです。

夕日に向かっての逆光撮影時でもしっかり見えました。

撮影体験を広げる大きなプラスポイントです。

1-4.液晶画面

液晶画面も画素数の数字的にはそこまで進化していないように見えますが、実物はかなり見やすくなっています。

こちらも発色が良くなり、明るく見やすくなっています。

また、画面のサイズが、いままでの4:3から3:2に変わり、静止画と同じ比率になりました。

そのため、撮影画像が画面いっぱいに大きく表示され、これまでより確認しやすくなりました。

上下の黒帯がなくなって広く映っていることが分かると思います。

↑α7IVの液晶画面 画面いっぱいに画像が表示される

↑以前の機種の液晶画面 上下に黒い帯が入り表示領域が狭くなる

液晶画面の進化も撮影体験向上に寄与する大きなプラスポイントです。

1-5.メニュー

メニューの使いやすさもα7IIIから大きく改善しました。

先行する上位モデルのα7SIIIとα1のメニュー仕様を受け継いでいます。

メニュー構成が2階層から3階層に変わったことで目的の項目が素早く見つけやすくなりました。

具体的に説明すると、例えば「カスタムキー設定」項目を探すとします。

α7IIIだと、大項目「カメラ2」の中の8ページ目にその項目があるのですが、大項目「カメラ1」の14ページ+「カメラ2」の8ページの合計22ページを右に送って探さないといけません。

一方のα7IVの改善されたメニューだと、左側の大項目を下に送っていくと中項目が一覧で見えるので、

おおよそどこに目的の項目があるか見当がつきます。

中項目「操作カスタマイズ」の中の小項目に「カスタムキー設定」がありそうと分かりますので、大項目を6回下に送るだけで見つけられます。

目的の項目を見つけるのに22クリック⇒6クリックと大幅に早くなります

それ以外にも色がはっきりと見やすくなっていたり、文字だけだと分かりにくいカスタムキー設定では図示してくれたりと、随所に使いやすくなる改善が施されています。

大きな改善ポイントです。

1-6.AF

AFも劇的に進化しました。

いままでより顔・瞳の認識率が上がりました。

AF方式のトラッキングモードが特に秀逸で、ロックオンした被写体が一度画面から外れて戻ってきても、そのまま追い続けることができます。

トラッキングAF+10fps連射で、子供や電車の動きモノでもほぼピントを外すことなくベストショットを選ぶことができました。

七味
七味

簡単に撮れるので、つい撮りすぎて後からの整理が大変です

また、動物・鳥認識も搭載されたので、動物園やペット、鳥撮影などで威力を発揮します。その実力をぜひ試してみてください。

\α7IVの鳥瞳・動物瞳AF関連記事はこちら/

1-7.手振れ補正(アクティブモード)

動画時の特に広角レンズの歩き撮りに威力を発揮します

若干クロップされ画角が狭まりますが、16~20mmの超広角レンズを使えば特に不便は感じないと思います。

ジンバルなし手持ちで十分クオリティの高い動画が撮れます

\α7IVの手振れ補正アクティブモードの関連記事はこちら/

1-8.ブリージング補正

動画時のフォーカスブリージング(フォーカス移動に合わせて画角も変動してしまうこと、ない方がいいと言われている)を電子的に補正する機能がα7IVで初めて搭載されました。

最近のレンズはブリージングがもともと抑えられていることが多いですが、それでも若干ブリージングは見られます。それをこの機能を使うと完璧に補正してくれます。

こちらもクロップされ画角が少し狭まりますが、それを以てしても積極的に使っていきたい機能です。

1-9.クリエイティブルック

α7SIIIで好評だったクリエイティブルックが搭載されました。

JPEG撮って出しでも様々な雰囲気の画作りが楽しめます。

モードは下記の10個です。

 ST :被写体・シーンに幅広く対応する標準の仕上がり。

 PT :肌をより柔らかに再現する。人物の撮影に適している。

 NT :彩度・シャープネスが低くなり、落ち着いた雰囲気に表現する。パソコンでの画像加工を目的とした撮影にも適している。

 VV :彩度とコントラストが高めになり、花、新緑、青空、海など色彩豊かなシーンをより印象的に表現する。

 VV2:明るく色鮮やかな発色で、明瞭度の高い画像に仕上がる。

 FL:落ち着いた発色と印象的な空や緑の色味に、メリハリのあるコントラストを加えることで雰囲気のある画像に仕上がる。

 IN:コントラストと彩度を抑えたマットな質感に仕上がる。

 SH:透明感・柔らかさ・鮮やかさを持つ明るい雰囲気に仕上がる。

 BW :白黒のモノトーンで表現する。

 SE :セピア色のモノトーンで表現する。

さらにここからパラメータをいじって細かく調整できます。お気に入りの設定を作ってみてください。

Imaging EdgeでもRAW現像で同様の効果を出せるプリセットが用意されているようです。

七味
七味

この中でも個人的にはFLとSHが特に気に入りました!

1-10.USBストリーミング

PCやスマホとUSB接続するだけで、お手軽に高画質WEBカメラとして使うことが出来ます

4K15pやFHD60pという高品質な映像に対応しており、さらに前述のクリエイティブルックも使用することができます。

お手軽にこだわりの画質で配信が出来ます。

リモートワークのカメラとしても使ってみてはいかがでしょう。

1-11.スマホ連携

Bluetoothによるスマホ連携の使い勝手が向上しました。

いままではスマホとカメラを接続するのに、NFCタッチやQRコード読み込み、SSID入力などひと手間かける必要があったのですが、α7IVでは始めてBluetoothの常時接続ができるようになりました。

スマホでImaging Edge Mobileアプリを立ち上げると、カメラを操作しなくてもすぐに認識してWiFi接続されます

スマホでのリモート撮影や画像取り込みの手間が一つ減りました。

地味にうれしい進化点です。

スマホからのリモート撮影も、静止画動画ともに大抵の設定が可能です。

スマホ画面からのタッチフォーカスも使えるので便利です。

1-12.操作カスタマイズ

操作ボタン・ダイヤルのカスタマイズ性が上がり、以前は露出補正だけだったダイヤルが割り当て可能になりました

Mモードで撮られる方はISOを設定して瞬時にISO変換できるようにするとよいでしょう。

また、Mモードとそれ以外のモードで割り当て機能を変えることが出来ます

Mモード以外ではこれまでどおり露出補正を当てることができるので、どちらのモードも使う人には便利です。

さらに動画モードと静止画モードでも割り当てる機能を変えることができます

おすすめは動画時のアクティブ手振れ補正とブリージング補正のON/OFF切り替えボタンに割り当てることです。

動画補正機能と画角の選択を瞬時にできるため便利です。

1-13.削除ボタン2度押しで削除

設定により、削除ボタンの2度押しで画像を削除できるようになりました

これまで大量の画像を確認しながら削除する際に、いちいち違うボタンを指が行き来するのがとても面倒でした。

この機能を使うことで、削除ボタン連打で画像を消していくことが出来るため、撮影画像の選別がとても楽になりました。

一方、勢い余って消したくない画像まで消してしまうリスクもあるので、そこは注意が必要です。元に戻すことはできません。

1-14.電源オフ時にシャッター閉じる

こちらもα7IVではじめて導入された好評な機能です。

レンズ交換の際、イメージセンサ―にごみが付くのを防いでくれます。砂埃の多い屋外でのレンズ交換で欲しかった機能ですね。

一方、シャッター幕に触れたり、レンズを通した強い光の集光でシャッター幕が溶けたりする危険もあるため、この機能を使う場合も扱いには十分気を付けてください。

また、シャッター幕を閉めた状態でズームレンズの繰り出し⇔収納を強く行うのも、風圧でシャター幕に不具合が起こる可能性があるので注意しましょう。

私はセンサーへのごみ付着はそこまで気になったことはないので、しばらく使わなくていいかなと思っています。

2.まとめ

今回の記事では、ソニーα7IVの進化した機能について詳しく見ていきました。

操作性だけではなく機能面においても、先代のα7IIIから大きく進化していました。表現の幅が広がったり、細かい点で使いやすくなっていたりとうれしい進歩です。

α7IIIとの価格差を考えた上でも、α7IVへの買い替え・買い増しをおすすめできる製品です。

\α7IV買う前に見てみる?/

これまで1.開封編2.外観・操作性編、そして今回の3.機能編と3回にわたってα7IVの基本性能をお伝えしました。

しちみ
しちみ

今後も使っていく中で気づいたポイントなどをレビューしていきたいと思います