iPhone 14 /14 Proから追加されたアクションモードは、動画撮影時の手ぶれのないなめらかな映像を追求する新機能です。
アクションモードでは、クロップ(映像切り出し)されますが、その分手振れ補正の効果が上がります。
iPhone 14 / 14proのアクションモードはどれくらい手振れを抑えてくれるの?
本当にジンバルなしでも使い物になるの?
など、気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、iPhone 14 Proのアクションモードはどれぐらいクロップされて、どれくらい手振れ補正効果があるのか実際に検証してみました。
また、こちらも手振れ補正アクティブモードの評価が高いα7IVとも比較してみます。
関連記事:ソニーα7IVの手振れ補正アクティブモードを検証
それでは、カメラ歴15年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。
1.iPhone 14 Proのアクションモードの起動とポイント
iPhone 14 pro アクションモードは、公式サイトでは次のような説明があります。
オフロードを走るSUVからの撮影も、被写体と並走しながらの撮影も、アクションモードを使えば手ぶれのないなめらかな映像に。もちろん、ジンバルはいりません。
iPhone 14 Pro and iPhone 14 Pro Max – Apple
なかなかすごそうですが、詳しいことはあまり書かれていません。
アクションモードを使うには、ビデオ撮影画面で、画面左下のアクションモードボタンをONにします。
注意点として明るさが足りないと起動できません。室内の暗いところでは「もっと明るさが必要です」と表示がでました。
アクションモードのポイントは、次の2つ。
- 動画撮影時に手振れ補正効果を向上させる
- クロップされる(撮影画角が狭くなる)
これらをiPhone 14 Proで実際に撮影して検証してみました。
2.iPhone 14 Proのアクションモードを検証
iPhone 14 Proでは3つのレンズで4つの画角で撮影ができます。
それぞれの画角でアクションモード時のクロップ倍率と手振れ補正効果を検証します。
iPhone 14 pro アクションモードのクロップ倍率
まず基準となる静止画画角です。
超広角から望遠まで幅広い画角で撮れます。
次に通常の動画モード。
動画モードでも少しクロップされます。静止画から約1.2倍にクロップされます。
そしてアクションモード。
思ったより大きくクロップされることが分かりました。静止画からは約1.6倍にクロップされます。
表にまとめます。
クロップ倍率 | 超広角13mm | 広角24mm | 標準48mm | 望遠77mm | |
通常動画 | 約1.2倍 | 15mm相当 | 29mm相当 | 58mm相当 | 93mm相当 |
アクションモード | 約1.6倍 | 22mm相当 | 38mm相当 | 77mm相当 | 125mm相当 |
動画撮影時はなるべく広角の方が撮りやすいので、アクションモードを使う時は、超広角13mmのレンズを使うことをおすすめします。
iPhone 14 Pro アクションモードの効き具合
iPhone 14 Pro アクションモードの効き具合を検証してみます。
手振れ補正性能に定評のあるミラーレスカメラα7IV とも比較してみます。
歩き撮り
まずは手持ちの歩き撮りです。
超広角13mm
▼通常動画(画角15mm相当)
▼アクションモード(画角22mm相当)
広角24mm
▼通常動画(画角29mm相当)
▼アクションモード(画角38mm相当)
標準48mm
▼通常動画(画角58mm相当)
▼アクションモード(画角77mm相当)
望遠77mm
▼通常動画(画角93mm相当)
▼アクションモード(画角125mm相当)
検証してみて、逆に通常動画モードでも手振れがしっかり抑えられていることに驚きました。
アクションモードだと、よく見るとさらに細かいブレも抑えられているように感じられますが、歩き撮りに関しては、どの画角でも通常動画モードで十分そうです。
ちなみにα7IVの手振れ補正アクティブモードと比較してみます。
▼α7IV 24mm 手振れ補正アクティブモード(画角28mm相当)
α7IVも十分抑えられていますが、iPhone 14 Proのほうがより安定していると感じました。
小走り
小走りは一番厳しい77mmのアクションモードで撮ってみました。
▼アクションモード(画角125mm相当)
ほとんど走っているのが分からないくらいぶれが抑えられています。
走る子供を追いかけることもできそうです。
全力疾走
小走りでも全くブレないので、撮っていることに気を使わず全力疾走してみました。
こちらもブレが目立ちやすい望遠の77mmで撮っています。
▼アクションモード(画角125mm相当)
驚くべきことにほとんどブレていません。十分使い物になる映像です。
試しにα7IVでも走ってみました。
▼α7IV 24mm 手振れ補正アクティブモード(画角28mm相当)
やはり普通のカメラだとこうなってしまいます。
実際に比較してみて、iPhone 14 Proのアクションモードのすごさが分かりました。
もはや、iPhone 14 Proで動画を撮る際はジンバルは不要ですね。
3.まとめ
この記事では、
- iPhone 14 Pro アクションモードのクロップ倍率
- iPhone 14 Pro アクションモードの効き具合 歩き撮りから全力疾走まで
をお伝えしました。
アクションモードでは画角が1.6倍まで大きくクロップされることが分かりました。アクションモードを使う際は、なるべく広角のレンズを使うと撮りやすいでしょう。
肝心の手振れ補正の効果は驚くべきもので、走っても十分使える映像が撮れました。「ジンバルいらず」の宣伝通り、高い手振れ補正性能を持っていることが分かりました。
明るいシーンでしか使えないなど、一部制約はありますが、屋外での撮影はiPhone 14 Proでほとんど事足りそうです。
vlogやスナップ動画は、iPhone 14 Pro。
暗い場面や背景をぼかした撮影は、ZV-E10やα7IVなどのミラーレスカメラ。
と使い分けると、撮影の幅が広がりそうです。
iPhone 14 Proのその他カメラ性能のレビュー記事はこちらです。
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