カメラ各社のラインナップは日々増える一方で、それぞれの機種の特徴を把握するのはなかなか難しいですよね。
自分にあった機種はどれなのか分かりやすく教えてほしいと思ったことは無いでしょうか。
よくわからないし、とりあえず見た目が好きなのを買おうかなぁ?
外観も決め手のひとつですが、やはり自分の技量や求める画レベルに合ったカメラが使いやすいですよ。
そこでこのシリーズでは、カメラ各社のラインナップを価格と用途別にマッピングし、それぞれの機種の特徴を一言で表してみます。また細かく知りたい人のために、詳しい仕様表の比較と各機種の特徴もご説明します。
前回は ニコンZマウントミラーレスカメラのラインナップをまとめました。
今回はキヤノンのRFマウントミラーレスカメラのラインナップをまとめてみます。
それでは、カメラ歴15年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。
1.一目でわかるカメララインナップまとめ【キヤノンRFマウント編】
1-1.ラインナップマップ
製品名 | EOS R3 | EOS R6 | EOS R5 | EOS RP | EOS R |
最安価格 (2021/1/6 kakaku.com) | ¥673,200 | ¥295,982 | ¥420,000 | ¥106,476 | ¥180,000 |
発売日 | 2021/11/27 | 2020/8/27 | 2020/7/30 | 2019/3/14 | 2018/10/25 |
ローパスフィルターレス | – | – | – | – | – |
撮像素子 | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ |
撮影感度 | 標準:ISO100~102400 | 標準:ISO100~102400 | 標準:ISO100~51200 | 標準:ISO100~40000 | 標準:ISO100~40000 |
記録フォーマット | JPEG/RAW/HEIF | JPEG/RAW/HEIF | JPEG/RAW/HEIF | JPEG/RAW | JPEG/RAW |
有効画素数 | 2410 万画素 | 2010 万画素 | 4500 万画素 | 2620 万画素 | 3030 万画素 |
連写撮影 | 最高約30コマ/秒 | 最高約20コマ/秒 | 最高約20コマ/秒 | 最高約5コマ/秒 | 最高約8コマ/秒 |
シャッタースピード | 電子:最速1/64000秒 | 電子:1/8000秒~0.5秒 | 電子:1/8000秒~0.5秒 | 1/4000~30秒 | 1/8000~30秒 |
液晶モニター | 3.2型(インチ)415万ドット | 3型(インチ)162万ドット | 3.2型(インチ)210万ドット | 3型(インチ)104万ドット | 3.15型(インチ)210万ドット |
ファインダーサイズ | 0.5型 | 0.5型 | 0.5型 | 0.39型 | 0.5型 |
ファインダードット数 | 約576万ドット | 約369万ドット | 約576万ドット | 約236万ドット | 約369万ドット |
ファインダー倍率 | 0.76 倍 | 0.76 倍 | 0.76 倍 | 0.7 倍 | 0.76 倍 |
ファインダー視野率 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
専用電池型番 | LP-E19 | LP-E6NH | LP-E6NH | LP-E17 | LP-E6N/LP-E6 |
撮影枚数 | ファインダー使用時:440枚 液晶モニタ使用時:760枚 | ファインダー使用時:250枚 液晶モニタ使用時:360枚 | ファインダー使用時:220枚 液晶モニタ使用時:320枚 | ファインダー使用時:210枚 液晶モニタ使用時:250枚 | ファインダー使用時:350枚 液晶モニタ使用時:370枚 |
スロット | ダブルスロット | ダブルスロット | ダブルスロット | シングルスロット | シングルスロット |
記録メディア | CFexpressTypeB/SD | SD×2 | CFexpressTypeB/SD | SD | SD |
防塵・防滴 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
手ブレ補正機構 | ○ | ○ | ○ | – | |
可動式モニタ | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 | バリアングル液晶 |
インターフェース | HDMIマイクロ、USB Type-C | HDMIマイクロ、USB Type-C | HDMIマイクロ、USB Type-C | USB Type-C、miniHDMI | USB Type-C、miniHDMI |
AFセンサー測距点 | 1053 | 1053 | 1053 | 143 | 143 |
動画記録画素数 | 6K60p/4K120p | 4K60p | 8K30p/4K120p | 4K30p | 4K30p |
ファイル形式 | MP4/RAW | MP4 | MP4/RAW | MP4 | MP4 |
映像圧縮方式 | MPEG-4 H.264/AVC H.265/HEVC | MPEG-4 H.264/AVC H.265/HEVC | MPEG-4 AVC/H.264 H.265/HEVC | MPEG-4 AVC/H.264 | MPEG-4 AVC/H.264 |
動画最長記録時間 | 360分 | 30分 | 30分 | 30分 | 30分 |
動画最大ビットレート | 2600Mbps | 340Mbps | 2600Mpbs | 120Mbps | 480Mbps |
重量 | 1015 g | 680 g | 738 g | 485 g | 660 g |
幅x高さx奥行き | 150×142.6×87.2 mm | 138.4×97.5×88.4 mm | 138.5×97.5×88 mm | 132.5x85x70 mm | 135.8×98.3×84.4 mm |
その他特徴 | 裏面照射積層CMOS 視線入力 動物、乗り物AF 8段手振れ補正、協調IS スマートコントローラー RAW動画内部記録 フォーカスブラケット撮影 | 動物、乗り物AF 8段手振れ補正、協調IS フォーカスブラケット撮影 | 動物、乗り物AF 8段手振れ補正、協調IS フォーカスブラケット撮影 | フォーカスブラケット撮影 | マルチファンクションバー |
最新のEOSR3の機能は最高峰!静止画も動画も一推しです。ただ値段も最高峰!
撮りたいものによっては、エントリー~アマチュア向けの機種でも十分満足のいく画が撮れますよ。
ここからは発売日が新しい順に紹介・説明します。
2.各機種の仕様詳細と特徴
ここからは各機種の仕様詳細と特徴をまとめてご紹介します。
2-1.EOS R3
一言で表すと:Canonの執念
特徴
先行するソニーがフラッグシップモデルを出したその10か月後に、すかさずキヤノンが出したプロフェッショナル向けハイエンド機種がこのR3です。
高性能エンジンによって、処理速度が格段にUPしました。
その恩恵は、ソニーα1に並ぶ30fps連写や業界初となる6K60p動画という凄まじい性能の実現に寄与しています。
静止画では先ほどの30fps連写に加え、ISO102400という高感度特性やシャッタースピード1/64000という有り余る性能を有しています。
キヤノン独自構造のデュアルピクセルCMOSセンサーによるAF性能は言わずもがなです。
また動画でもRFマウント初となる30分制限を取り払い、360分という最長レベルの撮影時間を実現しました。
6K60p、最大ビットレート2600Mbps、RAW動画内部記録は競合機種を圧倒する動画性能です。
その他レンズとの協調制御による最大8段手振れ補正や、縦グリップ付きの操作性にこだわったデザイン、良好な電池持ちとプロの道具としての使いやすさを追求する仕様となっています。
特筆すべきは、1990年代のフィルムカメラ(EOS 3やEOS 7など)に搭載していた視線入力AFをこの機種に復活させてきたこと。
当時は技術的に発展途上で決して使いやすいものではなかったとのことでスタンダードになりませんでしたが、時を経てこの機種に搭載されたということは、技術進歩で真に使いやすいものに仕上がったというキヤノンの自信の現れとも言えるでしょう。
R3は長らくカメラ業界の先頭を走ってきたキヤノンの執念が詰まったハイスペックモデルです。
・30fps高速連写
・最高1/64000の高速シャッタースピード
・6K60p/4K120pの動画性能(キヤノン初の動画30分制約無し)
・RAW動画内部記録
・視線入力AF
・8段手振れ補正、レンズ協調手振れ補正
・電池持ちがよい
・1kgオーバーの重さ
・一眼レフ時代とあまり変わらない大きさ
・他社フラグシップと比べると見劣りする画素数(R3:2410万画素、ニコンZ9:4571万画素、ソニーα1:5010万画素)
2-2.EOS R6
一言で表すと:万人受け
特徴
初代EOS Rから2年後に発売された第二世代RFマウントミラーレス中級機です。
この世代からボディ内手振れ補正が搭載され、レンズとの協調制御による最大8段補正を実現し、
一気に手振れに強いRFマウントという評判が高まりました。
R6は画素数こそ2010万画素と抑えられていますが、その代わり高感度特性、20fps高速連写、4K60p動画など、最新の中級機に求められる性能を確実に有しています。
またもう一つのメリットとしてこの第二世代からダブルスロット搭載となり、プロにも選ばれる機種になりました。
価格とのバランスで見た時に、静止画から動画まで幅広く万人に使いやすいミラーレスカメラとなっています。
・ハイエンド機に匹敵する20fps高速連写
・AF性能(認識、トラッキング、1053点という測距点の多さ)
・8段手振れ補正
・4K60p 340Mbpsで撮れる動画性能
・画素数が2010万画素と若干物足りない
・電池持ちが心もとない
・動画の30分制限
電池持ちに関しては、補助バッテリーで補えるわね
2-3.EOS R5
一言で表すと:真骨頂
特徴
RFマウント第二世代のハイエンド高画素機がR5です。
第一世代は、手振れ補正が無かったり、シングルスロットであったことから、プロを始めとして高い性能を求めるユーザーからは受け入れられたとは言えませんでした。
そこに対してこのR5は全てのフォトグラファーを納得させる性能を搭載して発売されました。
4500万画素の高画素と20fpsの高速連写の両立、8K30p/4K120pの高品質動画、CFexpress TypeBに対応したダブルスロットと、隙の無い機種となっています。
フルサイズミラーレスではキヤノンは出遅れていましたが、ここから猛追が始まりました。
キヤノンの真骨頂と言える機種です。
・4500万画素と20fps高速連写両立
・AF性能(認識、トラッキング、1053点という測距点の多さ)
・8段手振れ補正
・8K30p/4K120p、2600Mbpsの高品質動画
・電池持ちが心もとない
・動画の30分制限
2-4.EOS RP
一言で表すと:とにかく安い
特徴
RFマウントのすそ野を広げるエントリーモデルとして発売当初から低価格で提供されました。フルサイズミラーレスが約10万円ちょっとで手に入るというのは当時として驚きでした。
キヤノンはRFマウントになってから、レンズも手に届きやすい機種を出してきたりと、決してプロやハイアマチュアだけではなく、初心者にも広くカメラを使ってもらいたいという心意気を感じます。
一方、性能は必要最低限に抑えられており、5fpsの連写性能や手振れ補正無し、シングルスロットなどは、物足りなさを感じるかもしれません。
ただ、それを差し引いても手に入れやすい価格がこの機種の最大の特長で、現在でも最も安く手に入るフルサイズミラーレスとしてその価値はゆるぎないでしょう。
・フルサイズなのに10万円強で買える価格
・低価格なのに2620万画素の高画素
・500gを切る軽量ボディ
・価格なりの連写性能5fps
・手振れ補正無し
・電池持ちが悪く予備バッテリ必須
キヤノンEOS RPは、こちらの「【10万円で買える】おすすめの安いミラーレス一眼カメラBEST6」でもラインナップしています。
2-5.EOS R
一言で表すと:RFマウント序章
特徴
記念すべきRFマウント初号機です。
基本性能は今となっては見劣りする点もありますが、3030万画素の高画素で最高8fpsの連写速度など、多くの人には十分な性能を有しています。
また、RFマウント初号機として、マルチファンクションバーなど先進機能を搭載しており、キヤノンの新しい価値を作るという意気込みを感じる機種です。(残念ながらマルチファンクションバーはそれ以降搭載されていませんが)
価格も落ち着いており、RFマウントの中では20万円以下で買えるバランスのいい機種として、用途によっては十分選択肢となる機種だと思います。
・3030万画素の高画素ながら、10万円台で買える価格
・唯一のマルチファンクションバー搭載機種
・電池持ちは最新のRF機種よりいい
・シングルスロット
・手振れ補正無し
・動画30分制限
3.まとめ
本記事では、
・キヤノンRFマウントカメララインナップの全機種を、価格や用途別に分類したマップ
・各機種の特徴や仕様の詳細
をお伝えしました。
今後もどんな新機種がどのような位置づけで発売されるのか楽しみです。発表されたら情報を追加していく予定です。
また他メーカーのラインナップまとめはこちら。
他にも、こちらの記事では、子供を撮影するのにおすすめのカメラをご紹介しています。動き回る子供を撮影するのに必要な機能をまとめ、選び方を解説しています。併せてご覧ください。
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