カメラを手に入れていざ撮ってみると、どうしても使えない失敗写真が出てくるものです。
そのため、よくある失敗例を先に知っておくことが重要です。また撮り直せるシーンであればいいのですが、大抵は旅行やイベントでのワンシーンなどで、同じ場面は撮りなおせないからです。
カメラのいいところは、機能や設定が詳しく分からなくてもとりあえず撮れるところです。実際にカメラをたくさん使って、わからないところを都度調べていくのが上達への近道です。
この記事では、やりがちな写真の失敗例と、その対策を初心者向けにわかりやすくお伝えします。
それでは、カメラ歴15年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。
こちらの記事では予算10万円で買えるおすすめの安いミラーレス一眼カメラをご紹介しています。参考になれば嬉しいです。
1.よくある写真の失敗例と気を付けるポイント
写真の失敗例と気を付けるポイントは次の6つです。
それぞれ見ていきましょう。
ピントずれ
ピントずれとは、被写体からピントがずれており、ボケている失敗のことです。
どこにも全くピントが合っていない完全な失敗写真であればすぐ気づくのですが、撮りたい被写体以外のものにピントが合っていたり、顔にピントを合わせたかったのに前に伸ばした手にピントがあっていたりと、微妙にピントがずれている場合はその場で気づきにくいものです。
撮りたい被写体にピントが合っていないと、後から拡大したときによりピントずれが分かりやすくなってしまい、せっかくの写真がごみ箱行きとなってしまいます。後から修正することはできないので最も注意すべき失敗例です。
運動会や動物など動く被写体を撮る場合は撮り直しができないので、カメラの連射機能や、フォーカス追従機能(コンテニュアスAFやサーボAFという名前)があるカメラを使うのも一考です。
また中級者向けとなりますが、マニュアルフォーカス(MF)でピントを合わせる場合はピーキング機能を使って、ピント位置を確認してください。
手ブレ(手振れ)
手ブレ(手振れ)とは、撮影者の持っているカメラがブレて画面全体がボケる失敗のことです。
人間の腕や手はしっかり止めているつもりでも、微小に動いてしまいます。個人によってブレ易さは程度差はありますが、こんな時にブレやすいです。
- 重いカメラを持っているとき、支える力が必要なためブレ易い。
- シャッタースピードを遅い設定にしているとき、露光時間が長いためその分ブレ易い。
- 画角の狭い焦点距離の長いレンズを使っているほどブレ易い
手持ちでブレずに撮れるシャッタースピードの値は、目安としてレンズの焦点距離分の1なんだって。レンズの焦点距離が50mmであれば1/50まで、200mmであれば1/200までだね。
手ブレ写真も、微妙なブレの場合はその場で気づきにくく、後から拡大して確認したときにはじめて気づくことが多く、注意すべき失敗です。
ただし、シャッタースピードが早いと露光時間が短くなり、画像が暗くなりやすいです。十分明るい場面であれば問題ないのですが、明るさが足りないとノイズを犠牲にしてISO(イメージセンサの感度)を上げるしかありません。
最後に暗い場面などどうしても遅いシャッタースピードで撮る必要がある場合は三脚や一脚を使うことになります。三脚や一脚についても別の記事でご紹介します。
被写体ブレ(被写体振れ)
被写体ブレとは、カメラは止まっているのに撮りたい被写体が動いてしまってブレる失敗のことです。
手ブレと似ていますが、手ブレは撮影者の動きによるものが原因なのに対し、被写体ブレは被写体の動きによって起こる失敗なので、自分でコントロールできず対策が難しい現象です。
集合写真などであれば、一時的に止まってもらうことができますが、動き回る子供や動物、スポーツの一場面などは、被写体の動きを止めることはできません。
運動会のゴールシーンなどは、連射機能を使うのがおすすめ。
いきなり本番で撮影せず、何回か試し撮りをしてみましょう。
画像は暗くなりがちなので、ISOの値と相談しながらシャッタースピードの数値は調整することになります。
暗い状況で動く被写体を撮るシーンが、写真にとって最も難しい場面と言えるでしょう。
目つぶり
目つぶりとは、人物写真を撮るときに被写体の人が目をつぶってしまう失敗のことです。
人物が一人なら対応も簡単ですが、大人数での集合写真では全員が目を開けてしっかり写っていることが必要で、難しくなります。写真屋さんが時間をかけて画像を確認しながら何度も取り直すのは主にこの目つぶりがないかどうかを確認しています。
お子さんの撮影の場合、カメラマンやカメラマンの横にいる人がぬいぐるみや音の出るおもちゃなどで注意をひくと、顔を向けて目もあけてくれることが多いですね!
数を撮ればしっかり表情を捉えることができますが、わずか数枚の撮影しただけでは、目つぶりを完全になくすことは難しいです。後から見直した時、意外と「この時目つぶっちゃってたね~」と、笑える思い出になることもあります。
露出アンダー/露出オーバー
露出アンダー/露出オーバーとは、画像が暗すぎたり明るすぎたりする失敗のことです。
暗すぎることを露出アンダー、明るすぎることを露出オーバーと言います。または、黒つぶれ、白飛びとも呼びます。
この失敗は後からレタッチ(写真加工ソフトで修正すること)で多少は修正が可能です。
とはいえ限界があるので、予め撮影の段階で適切な明るさ(露出)で撮っておくことが肝心です。
写真の明るさ(露出)はカメラの設定で、シャッタースピード、ISO、絞りの3つの組み合わせできまりますが、この設定が被写体の明るさに対して適正でないことが原因で起こります。
3つの設定(シャッタースピード、ISO、絞り)を適正に調整することが最大の対策となりますが、 ここでは初心者向けに説明しているので、直感的に露出を修正できる露出補正機能を使うことをおすすめしました。慣れてきて3つの関係がわかってきたら、ぜひ細かい調整にチャレンジしていきしょう。
また、それでも被写体が明るすぎる場合は、アクセサリのNDフィルタを使ったりしますが、その使い方は別の記事でご紹介します。
ノイズ
ノイズとは、画像全体にざらざらとした粒のようなノイズがのってしまい、シャープさが損なわれる失敗のことです。
暗い場面でISO(イメージセンサの感度)を上げ過ぎて起こることが多いです。
こちらも後からレタッチである程度補正することができるのですが、もとのノイズレベルが高すぎると十分に補正することができません。撮影段階で気にしておくべき項目の一つです。
その場合、画像が暗くなるため、適正露出(適正な明るさ)にするにはシャッタースピードを遅くする必要がありますが、そうすると手ブレや被写体ブレに弱くなってしまうため、シーンに応じて調整が必要です。機種によってイメージセンサのノイズ耐性は異なり、センササイズが大きくなるほどノイズ耐性が良くなります。
つまりAPSCサイズよりフルサイズの方がセンササイズが大きいため有利です。また、同じセンササイズでも高性能のセンサほどノイズ耐性が良くなり、これがカメラの価格差に現れてきます。このノイズ耐性はカメラを選ぶ際に気にする点の一つとなります。
2.まとめ
本記事では、主にカメラ初心者の方に向け、やりがちな失敗写真例6つとその対策をお伝えしました。
これらの失敗例を少し念頭に置いて写真を撮ってみてください。もしくは残念ながら失敗してしまった後この記事を読み返した方も、きっと上達すると思います。
写真は、後から撮り直すことの出来ない場面が大半ですよね。後で見返してみたときに、素敵な写真であふれていることを願っています。
また、こちらの記事では、カメラ初心者におすすめの安くてコスパ抜群のカメラをご紹介しています。これからカメラを始める方には使いやすさと値段の両立した、おすすめできるものばかりです。ぜひ併せてご覧ください。
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