こんにちは、しちみです。
どういうシチュエーションでどんなレンズを選べばいいか知りたい!
焦点距離と画角について徹底解説します。
シチュエーションごとのおすすめのレンズの種類がわかれば、ぴったりのレンズが選べるようになりますよ。
それでは、カメラ歴15年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。
1.焦点距離と画角
焦点距離は本来、レンズの主点(レンズの中心点)から焦点(光が集まる点)を結ぶ位置までの距離のことですが、それと対応する形で画角(画が写る範囲)が変化するため、主に画角と対応して説明されます。
焦点距離が短いと、画角は大きくなります。つまり、写真に納まる範囲が広くなります。
焦点距離が長いと、画角は小さくなります。つまり、写真に納まる範囲が狭くなります。
上記の図はイメージですが、ここで実際の画像で焦点距離による画角の違いを見てみましょう。
▲焦点距離24mm:広角
▲焦点距離35mm:標準(準広角)
▲焦点距離50mm:標準
▲焦点距離85mm:中望遠
▲焦点距離105mm:中望遠
▲焦点距離157mm:望遠
このように、焦点距離の違いによって画角も変化し、画の印象が大きく異なります。
2.ズームレンズと単焦点レンズ
レンズは、大きくふたつに区別されます。
ズームレンズ
ズームすることで焦点距離(画角)が変化。
〇 幅広い画角の撮影に対応できるため便利。
✖ 構造が複雑になるため大きく重い。
単焦点レンズ
焦点距離(画角)が一定。
〇 小型軽量にできたり、F値を下げて明るくしたり、光学性能を上げることができる。
✖ 一つの画角でしか撮れないため、撮影は難しくなりがち。
一般的に初心者の方にはズームレンズをお勧めすることが多いですが、単焦点レンズもボケを生かした印象的な写真が撮れるため、1本持っておくことをお勧めします。
子供の行事にはズームレンズを持って行くけど、先日ロウバイの花を撮影に行った時はボケを活かした撮影に単焦点レンズが活躍したわ!
シーンによって使い分けるといいですね。
3.レンズの種類と焦点距離
ここではレンズの一般的な種類別に焦点距離との対応を説明します。
対応センサーサイズによって、画角と焦点距離の関係性は変わりますが、ここでは分かりやすさのため、フルサイズ基準(35mm判換算)で説明します。
画角の大きい方から順に並べます。
画角が大きい
↑・魚眼レンズ
・超広角レンズ
・広角レンズ
・標準レンズ
・中望遠レンズ
・望遠レンズ
↓・超望遠レンズ
画角が小さい
それぞれ見ていきましょう。
魚眼レンズ
円周~対角180°(焦点距離では8mm~15mm程度)
超広角レンズの一部ですが、画像の歪を補正せず、あえて残したままにすることで、魚の目で見たような面白い画像が撮れるレンズです。
円周魚眼とは、画面中心部に円形状の画像が写り、左右方向に何も映っていない黒い部分ができる魚眼画像のことです。対角魚眼とは画面の対角方向に180°の画角で撮れて、画面いっぱいに画像が写る魚眼画像のことを言います。
円周魚眼の方が特徴的な画像になりますが、用途は限られます。一般的に風景などを撮る際は、対角魚眼が使われます。
魚眼レンズはレンズの中でも最も広く撮ることが出来るため、最近では広い範囲の画像が必要なVR撮影に使われています。
超広角レンズ
12~16mm前後
風景、夜景、星景、建築写真などダイナミックな画像を撮るために使われます。
遠くのものは小さく、近くのものは大きく写るため、目で見た印象より、よりダイナミックに広く写る印象となります。
用途は限られますがここぞという風景を見つけた時に使うと、大変印象的な写真が撮れます。
人物を撮ると、画面中心であれば問題ないのですが、画面の端にいくほど外側に引き伸ばされたようなゆがんだ画像となるため、注意が必要です。中心に被写体を置き、外側に広く背景が写るいわゆる鼻デカ写真を撮るのに使われたりもする画角です。
超広角域では焦点距離1mmの差が画角の差に与える影響が大きく、1mmの違いで大きな印象の違いとなります。
一般的に16mmは比較的使いやすく、14mmは超広角の定番、12mmは広く写りすぎるため難しい画角という印象を持たれています。いろいろ試してみて使いやすい画角を見つけてみてください。
広角レンズ
20~28mm前後
人間の目で見たより少し広く撮れる画角です。風景やスナップに使われます。
20mm程度だと自撮り撮影にも適した画角となるため、動画用途でもよく使われます。
24mmは最近では定番の画角です。広くもなく狭くもなく何でも撮れるちょうどよい画角と言っていいでしょう。
一方28mmになると、以前は広角域でしたが、最近では少し狭い画角と捉えられているようで、風景を撮るにもスナップを撮るにも中途半端な画角と言われることもあります。ただ28mmでうまく切り取ることで写真に差を付けられるので、ぜひ写真を撮るならトライしてもらいたい画角です。
標準レンズ
35mm~50mm前後
35mm~50mmは人間の目で見る範囲に近い標準域と呼ばれます。特に50mmが最も人間の普段見える画角に近いと言われています。
35mmは最も汎用性の高い画角です。各社からのレンズのラインナップも豊富です。
50mmくらいになると標準とは言え、実際に撮ってみると、思ったより狭く感じます。
人物撮影など被写体が決まった撮影だと撮りやすいですが、スナップなど自由な被写体を撮る場合は、何を中心に撮るか考えて撮らないと代わり映えしない写真になりがちです。そのため奥が深く、写真を始める際にまず50mmから始めることをお勧めする人が多いです。
中望遠レンズ
85mm~100mm前後
ポートレートに適した画角です。被写界深度(ピントが合っている前後の範囲)が浅く前景、背景に印象的なボケを作りやすいです。一方画角はかなり狭くなるため被写体からある程度離れる必要があり、被写体との距離が調整できるシーンでないと使いにくく感じることがあります。被写体との距離の自由度が少ないスナップでは使いづらいです。
やはりポートレート(人物写真)に特化した画角という印象です。
一方90mmや100mmはマクロ撮影(被写体を大きく拡大して撮る)が出来るマクロレンズの定番の画角です。マクロレンズは花や虫など小さい被写体をダイナミックに撮るのに使います。
一方狭い画角を生かして風景の一部を切り取るのにも使われたりします。工夫次第で使い方の広がる画角です。
望遠レンズ
135~200mm前後
遠くの被写体を大きく撮るのに使われる画角です。
135mmはボケを生かしたポートレートにも使われますが、より印象的な風景や、最近ではAFの速さを生かしてスポーツ撮影などにも使われます。
200mmは主にスポーツや動物、鳥などある程度距離を撮らないと撮れない被写体を撮るのに使われます。
70-200mmというズームレンズは使い勝手が良く、昔から望遠ズームレンズの定番です。
超望遠レンズ
200mm以上
200mm以上は超望遠と言われる限られた用途で使われる画角です。
~600mm程度まではスポーツやモータースポーツによく使われます。
600~800mmくらいになると鳥や飛行機などかなり限られた用途となります。
1200mmくらいになると月を画面いっぱいに撮ることもできます。
4.まとめ
焦点距離と画角は、カメラを始める上でぜひ理解しておきたい言葉です。
また、レンズの種類や特徴を知ることで、撮りたいシーンや物などに合ったレンズを見つけやすくなります。
始めのうちは、レンズキットでカメラボディと同時に購入できるズームレンズ等をおすすめしますが、慣れてきたら撮影シーンごとにいくつかの種類のレンズを使い分けてみるのもおすすめです。
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