早春に咲く黄色い花、ロウバイ(蝋梅)の撮影。
小さい花だけに、普通の撮り方では
- うまく撮れない!
- 撮りたい感じの写真と違う
- ロウバイのかわいさが全然伝わらない!
といった結果になりがちです。
かわいいロウバイをとらえるポイントをお伝えします!
それでは、カメラ歴15年でフォトマスター1級、しちみがお送りします。
1.ロウバイとは
中国原産の落葉樹で、12月から1月に開花します。ロウバイの名は、半透明でツヤのある花びらが蝋細工のように見えること、開花が臘月(旧暦の(12月)であることに因んでいるとのこと。
開花時期と花の形状、そして甘い香りからウメの品種と間違われがちですが、ロウバイ科に属し、バラ科のウメとは別物だそうです。
2.ロウバイ撮影の失敗例
ロウバイは、普通に撮ると枝の存在感がすごいです。そして花の存在感が薄い。ちょうど見頃な時期であり、人も写りこんでしまいます。特徴的な2点がこちら。寄りと引きで撮ったものです。
ロウバイのかわいさが伝わりませんね…。
淡い黄色の花が枝の強い茶色に負けてしまっています。もっといい感じに撮りたい!
3.ロウバイの撮り方のポイント5つ
ここからはカメラ歴15年のしちみの写真です。
外での撮影の場合、光が十分得られます。撮影日は晴天でしたが、一般的に曇天のほうが、柔らかい光でふんわりとした写真を撮りやすいと言われています。
ポイント1:色数を絞る
まずは満開の木を狙うことで、一面鮮やかな黄色の華やかさを際立たせてみました。
ポイント2:ボケを作る
花にぐっと寄って、さらに周囲をボケさせてみました。
ポイント3:枝の存在感を薄める
さらに近寄って、なるべく枝が写りこまない位置を探します。花以外をボケさせることで、枝の存在感を薄めてみました。花の存在が際立つことで、花びらのツヤ感も活きてきます。
ポイント4:補色の効果を利用する
色相関の反対にある補色の関係にある色同士が並ぶと、色のあざやかさが強調されます。ロウバイの場合、やさしい黄色がメインとなりますので、引き立てる色のひとつは青です。
そこで、青空を背景に撮影します。見上げるような感じでシャッターを切り、花びらが透けるような感じがとらえられました。
木の根元までは近づけなかったため、不安定な足元で見上げる形での撮影となりましたが、今回の撮影機種α7Ⅳの液晶画面がバリアング式だったことが功を奏し、無理のない体勢で撮影することができました。
ポイント5:光を活かす
花びらの色を引き出すため、太陽の光を使ってみました。明るい箇所と暗い箇所が引き立てあいます。
花と枝ばかりでも、光をうまく取り込むことで画面が生き生きします。軽く見上げるような感じで撮ることで、人の写り込みを最小限に抑えました。
今回は三脚は使わず、全て手持ちで撮影しました。
三脚を使うと安定しますが、植物が相手の場合は自分が動いて好きなアングルを探す方が簡単ですので、手持ちで撮る練習をしておくことをおすすめします。
4.今回使用した機材
カメラはソニーのα7IVを使用しました。
関連記事:α7IV長期使用レビュー|発売日から使い続けてわかったメリット・デメリット
レンズは主にソニーEマウントFE 90mm F2.8 Macro G OSSを使用しています。物撮りやポートレートにも活躍するマクロレンズです。こちらの記事で詳しく紹介しています。
関連記事:【ソニーEマウント】フルサイズ用神レンズ11選|α7IV・α7IIIにおすすめ
5.府中市郷土の森博物館
今回訪れたのは、東京都府中市にある、府中市郷土の森博物館でした。
施設概要
住所:東京都府中市南町6-32
営業時間:9時~17時(入場は16時まで)
休館日:月曜日と年末年始(12月29日から1月3日)月曜日が祝日の場合その翌日が休館日。
料金:大人300円、中学生以下150円、4歳未満無料
プラネタリウムは別料金です。
公式HP:http://www.fuchu-cpf.or.jp/museum/index.html
なお現在改装中のため、屋内の常設展は令和4年4月まで中止のようです。また、このご時世ですので、必ず公式HPで営業を確認してからお出かけください
園内のロウバイは、平成16年にサントリー武蔵野ビール工場より31本寄贈されて以降、順次本数を増やしており、現在では園内にロウバイ約130本が連なる「ロウバイの小径」が設けられています。
こちらの小径では、ロウバイ、ソシンロウバイ(素心蠟梅)、マンゲツロウバイ(満月蠟梅)の三種を見ることができるそうです。
他にも、ウメ、ハナモモ、アジサイ、ハギ、モミジなど、季節の植物が一年中いつ訪れても目を楽しませてくれる場所です。
秋に訪れた際は、広場に落ち葉を集めた落ち葉プールが用意されており、子供が大はしゃぎでした。プラネタリウムもあるし、一日いられますね。
寄り道スポット
すぐ横に楽しく遊べて交通ルールが自然と学べる「交通遊園」があります。なんと一周100円からゴーカートにも乗れるうえ、本物のバスや都電、消防車、SLなどの展示もあります。
子供から大人まで楽しめる公園です。小さいお子さんがいらっしゃる場合、必ずや寄り道することになるでしょう。
6.まとめ
色々書いていますが、どんな撮り方のセオリーよりも、最終的には自分が「こう撮りたかったんだ」と満足できる写真を撮ることが一番だと思います。
人によっていろんな撮り方があるはずです。まずは自分が好きだなと思う写真を見つけ、どのように撮ったのか考えてみることから始めてみてください。今回の記事も併せて参考にしていただけたら嬉しいです。
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