VLOGCAMという新しいカテゴリを作ったZV-E10。
これまで一眼スタイルのミラーレスカメラは静止画を撮るものという側面が強かったのですが、ZV-E10は様々な動画で使いやすい機能を搭載してvlogカメラとして不動の地位を築いています。
一方で、ZV-E10は初心者向けのミラーレスカメラとしてもとてもおすすめできる機種です。
実は、動画だけではなく静止画でも使いやすく、さらに価格がとてもリーズナブルなんです。
今回ZV-E10を使ってみて、改めて子供の動画も静止画もきれいに撮りたい初心者向けにちょうどいいカメラだなと実感しました。
この記事ではZV-E10の外観と操作性について徹底的に解説します。
初めてカメラに出会う方にはもちろんわかりやすく、これまでのソニーの一眼タイプのミラーレスカメラを使ったことがある方には違いがわかるようにお伝えしていきます。
また、次回の「機能編」では、新しい動画機能などを中心に進化したZV-E10の機能について詳しく解説しています。
関連記事:【徹底解説】ソニーZV-E10 -機能編-【新機能を検証してみた】
それでは、カメラ歴15年、フォトマスター1級のしちみがお送りします。
1.徹底解説ソニーZV-E10外観・操作性編
ZV-E10全体を通してのメリット・デメリットを最初にまとめます。
メリット | デメリット |
・10万円以下という安さ ・動画撮影向けの機能充実 ・静止画もしっかり撮れる基本性能 ・小型軽量(500mlペットボトル1本分以下!) ・カメラに珍しい白カラバリとかわいいモフモフ | ・手振れ補正が動画歩き撮りモードのみ(ボディ内手振れ補正なし) ・ファインダーがない ・静止画撮影には少し物足りない操作性 |
このうち、この記事では外観・操作性まわりについて解説していきます。
正面
キットレンズとウィンドスクリーン(モフモフ)を装着時の正面外観です。
既に特徴的な外観をしています。
モフモフは見た目がかわいいとの評判です。
ちなみに、カラーバリエーションとしてなんと、ホワイトもあります!!
私は絶対ホワイトだなぁ
レンズとウィンドスクリーンを外したところです。
スクエアの形が美しいシンプルな造形ですね。
右肩のαのバッジがいいアクセントになっています。
側面グリップ側
グリップの造形はこれまでの静止画向けのカメラと違って、指のかかりのないストレートな形になっています。
握りも深くはありません。
これまでのカメラに慣れている人にとっては滑って握りにくいと感じる人もいるかもしれません。
ただ、動画を撮る際はグリップを深く握ることはほとんどないので、この形でも十分かもしれません。
手が小さい女性にとっては握りにくいということはなく、ちょうどよいグリップだと感じました!
ストラップ環はこれまでの三角環型と違って、動かない固定型です。
三角環型のストラップ環は、動画撮影時に動いてカチャカチャと音を立てることがありました。細かいところですが、これは動画向けに嬉しい仕様です。
アンカーリンクスも直接つけることができます。
関連記事:【詳細レビュー】ピークデザイン アンカーリンクス
痒い所に手が届く仕様になっています。
側面インタフェース側
外部インターフェース側からの写真です。
こちらも四角形のシンプルな形です。
インターフェースカバーを開けたところです。
カバーは2か所。
上のカバーはエラストマータイプ(ゴム様のぐいっと曲げるタイプ)で、中にはマイク端子。
下のカバーは、ヒンジ式で端子は上からUSB-C、Micro HDMI、ヘッドホン端子が並んでいます。
上のマイク端子のみ、パネルを回転した時に干渉しないようになっています。
USB-Cは、付属のアダプタをつなぐことで本体充電できます。
背面
背面もこれまでのソニーカメラと大きな違いはありません。
ダイヤルが二つ付いているので、絞りやシャッタースピードを同時に変えられて、静止画を撮る際でも使いやすくなっています。
個人的には、静止画を撮る際、親指AFを使っているのですが、AF-ONボタンがないため、その点は少し残念です。
ただ、多くの人はシャッターボタン半押しでAFすると思いますので、問題ないでしょう。
液晶パネルを開いたところです。
バリアングル式になっており、完全に正面向き、上向き、下向きにできます。
180度回転させて正面向きにすると、液晶パネルを見ながらの自撮りができます。
ダイヤル・シャッターボタン
ZV-E10の特徴として、従来電源ON/OFFスイッチがあるところが、ズームレバーになっています。
動画向けに嬉しい仕様です。
その代わり電源スイッチが独立したスイッチになっています。
とっさに電源を入れたい時には少し煩わしく感じるかもしれません。
ただ、自動的に省電力モードに入る設定にできるので基本的に電源スイッチはONで使ってもよいでしょう。
また、ZV-E10の特徴として通常のカメラにあるはずのEVF(ファインダー)がありません。動画向けに割り切った仕様です。
ただ、最近のスマホで写真を撮り慣れている人は、液晶画面を見ながら撮影することが普通だと思いますので、EVFは無くても違和感はないかもしれません。
その代わり、通常EVFがある真ん中には動画に適した大きなマイクが配置されています。
高い収音性能と指向性を持った3カプセルマイクで高音質に録音できます。
またウインドスクリーン(モフモフ)を付けると風切り音を大幅に低減できます。
見た目もかわいいです。
ちなみにモフモフはカメラシューにプラスチックのアダプタを介して搭載します。
モフモフだけを取ってみました。
こんな形でアダプタとモフモフは別になっています。
シャッター周りを拡大してみます。
シャッターはストロークが深く、押した感覚が分かりやすいため、静止画を撮る際も使いやすいです。
ただし、ボタンの場所と向きが少し使いにくいのと、ズームレバーに触ってしまいがちなので、静止画メインで撮る際はズームレバーを無効化してもいいかもしれません。
また、これもZV-E10のオリジナルな機能の背景ぼかしボタンがあるのが分かります。C1ボタンと併用となっているボタンです。
この機能は今後機能編で詳しく見てみたいと思います。
その他の操作系の特徴としては、通常のカメラであればあるはずのモードダイヤルがありません。その代わり、モード切替ボタンがあります。
ここは静止画ユーザーには慣れるまでは少し使いにくく感じる点かもしれません。
ボタンではなく電源ON/OFFのようなレバータイプが良かったと個人的には思います。
ただ、これも慣れでカバーできる範囲だと思います。
他機種とサイズ比較
フルサイズのソニーα7IV と、同じAPSCのニコンZ50とサイズを比較してみます。
すべて、バッテリーとSDカード込みの重さです。
ソニーα7IVと比較
やはりフルサイズカメラと比較するとだいぶ小さく軽いですね。
重さで300gも違うというのは大きなメリットです。
ニコンZ50と比較
同じAPSCのZ50と比較しても、一回り小さくて軽いことが分かります。
重さも約100gも違います。
並べて比較すると、ニコンのZマウント(レンズを装着する部分の規格)サイズが大きいことがよく分かります。
ZV-E10はファインダーがないため、上面も直線でシンプルでスタイリッシュです。
厚み方向も分かりやすくするため、斜めから撮ってみました。
グリップやEVFの出っ張り具合がだいぶ違いますね。
Z50は写真を撮るための操作性を優先し、しっかりとした厚みのあるボディで、ZV-E10はコンパクトさやシンプルさを追求していることが分かります。
同じAPSCミラーレスカメラでも商品の方向性が違うことがよく分かります。
最後にレンズとウィンドスクリーンも付けて、実際に撮影する時の重さを計ってみました。
500mlペットボトル1本分より軽く、気軽に持ち運べる重さです。
動画も静止画もZV-E10で撮影するシーンが広がることでしょう。
2.まとめ
今回の外観・操作性編では、
- ソニーZV-E10の外観
- ソニーZV-E10の操作性
について詳しく見ていきました。
やはり、VLOGCAMと謳っているだけあって、動画向けに必要な形や機能が過不足なく詰め込まれていました。
静止画向けとしてみた時は、モードダイヤルやAF-ONボタンなどがないため、これまでのカメラに慣れた人は少し物足りなさを感じるかもしれません。
ただ、それも慣れの範囲や他の手段でカバーできるものだと感じました。
これからカメラを始める人にとっては、これまでの機種との操作性の違いは大きな問題ではないので、ZV-E10は特に初心者向けのミラーレスカメラとしておすすめできます。
何より価格がとてもリーズナブルです。
子供の動画も静止画も簡単にきれいに撮りたい方に、ミラーレスカメラの入り口として最初の1台に十分おすすめできます。
次回の「機能編」では、新しい動画機能などを中心に進化したZV-E10の機能について詳しく解説しています。