日本の市川ソフトラボラトリーが出しているRAW現像・レタッチソフトの「SILKEYPIX (シルキーピックス)」は、高機能でできることが多いと評判の高い編集ソフトです。
今回はSILKYPIX Developer Studio Pro 11を使って、基本的なRAW現像・レタッチの手順を解説します。
表現の幅がぐっと広がるさらに便利な使い方と、気を付けるべき注意点を凝縮していますので、この記事を読めば初めての方でも思い通りのRAW現像・レタッチが簡単にできます。
それでは、カメラ歴15年でフォトマスター1級、しちみがお送りします。
SILKYPIXの機能の詳細については、こちらの記事で紹介しています。
1.SILKYPIX(シルキーピックス)の基本の使い方
最初にSILKYPIXでのRAW現像・レタッチの基本の使い方を手順としてまとめます。
それではひとつずつ順を追って解説します。
手順1:画像を読み込む
SILKYPIXを立ち上げます。
①ナビゲータウィンドウからPC上の画像フォルダを探索
②フォルダ内の画像が表示されるので編集したい画像を選択
手順2:水平補正
写真の傾きを水平に補正していきます。目で見て違和感がなくなり、写真の質が向上します。
①「回転・デジタルシフト」メニューを選択
②「回転」メニューのバーを左右に動かし画像を水平にする
手順3:トリミング
画像のトリミング(切り出し)を行います。構図を整え、ぐっと主題を引き立たせることができます。
①「トリミング領域設定」メニューを選択
②画像に表示される外枠をドラッグドロップしトリミング範囲を設定
③画像中央の□をドラッグドロップしトリミング領域を移動
トリミングしすぎると画素数が減り解像感がなくなるので、トリミング範囲を小さくし過ぎないことが大切!
手順4:明るさの調整
明るさを調整し、画像をイメージに近づけていきます。
①「露出・明るさ」メニューを選択
②「露出補正」バーで全体の明るさを調整
③「ハイライト」「シャドー」バーで明るい部分と暗い部分の明るさを別々に調整
手順5:色の調整
色を調整します。最も写真の印象が変わる操作です。
①「ホワイトバランス」メニューを選択
②「色温度」バーで全体的な色味を調整
③「カラー」メニューを選択
④「彩度」バーで全体的な鮮やかさを調整
⑤「ファインカラーコントローラ」メニューを選択
⑥「カラーサークル」で調整したい色を選択 色ごとに色相と彩度を調整
手順6:シャープさの調整
シャープさを調整します。画像のエッジのコントラストを補正することで、解像感が上がったように見えます。
①「シャープ」メニューを選択
②「輪郭強調」バーで全体的なシャープさを調整
③「ディティール強調」バーで細かい部分のシャープさを調整
手順7:ゴミ取り
撮影時に写りこんだレンズやイメージセンサーについたゴミを消去します。
①「スポッティングツール」メニューを選択
②画像中の枠を移動させ修正したい部分を選択
③「スポッティングツール」画面内で除去したゴミ箇所をクリック
手順8:画像を出力する
出力して完成です。
①「1コマ現像」メニューを選択
②画像を出力するフォルダを選択して「現像」をクリック
以上がSILKYPIXの基本的なRAW現像・レタッチのやり方です。
この手順通りに行うことで、一通りのレタッチ操作ができるようになります。
2.SILKYPIX(シルキーピックス)の便利な使い方
基本的なやり方を踏まえた上で、SILKEYPIX ならではのさらに便利な使い方を2つ紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
プリセット補正
SILKYPIXはプリセット(テイスト)が充実しています。
自分で細かく調整しなくても、始めから用意されたテイストを適用することである程度補正することができます。
そのやり方を説明します。
①「テイスト」ウィンドウをクリック
②適用したい「テイスト」を選択
テイストを活用することで、ある程度の最終形のイメージに近づけることができます。
補正の時間を大幅に節約できるのでぜひ活用していきたい便利な機能です。
部分補正
SILKYPIXは部分補正の機能も充実しています。(Pro版のみ)
部分補正は少し難しい中級者向けの機能ですが、使えるようになると表現の幅がぐっと広がります。
なるべく簡単に使い方を説明します。
①「部分補正ツール」を選択
②部分補正したい領域を選択
③選択した領域内の明るさや色味などを補正
「反転」をチェックすると適用領域を反転できる
部分補正は複数の補正領域を重ねることもできます。
上の例では、【領域1】で花以外の領域の彩度と明るさを下げ、【領域2】で花の彩度と明るさを上げることで、一部だけ色を残した印象的な画像に仕上げることができました。
少し工程が増えるため中級者向けといえますが、表現の幅がぐっと広がります。ぜひ使ってみてほしい使い方です。
3.SILKYPIX(シルキーピックス)を使う上での注意点
ここからはSILKYPIXでRAW現像・レタッチを行う際の注意点を3つお伝えします。
それぞれ解説します。
控えめなくらいがちょうどいい
レタッチをやりすぎると鮮やかすぎたり、エッジが強調され過ぎて、不自然に見えることがあります。
▼彩度を上げすぎて不自然になった例
少し物足りないくらいで抑えておくのが、いいレタッチのコツです。
自分でずっとレタッチの過程を見ていると、どこからがやりすぎか分からなくなる時があります。
そういうときには第三者視点で作品を見つめるといいでしょう。
ノイズやバンディングに気を付けて
レタッチを過度に行うと、ノイズが増加したり、色の階調が崩れる(バンディング)が起こったりします。
▼バンディングの例
▼ノイズが増加した例
これを避けるには、やはり補正の強さを少し控えめにすることです。
レタッチする時は、ノイズ増加やバンディングが起こっていないかを確かめながら補正量を調整しましょう。
白飛び、黒つぶれを避ける
白飛び、黒つぶれもレタッチをしているうちに良く起こりがちな失敗です。画像を見てもいいのですが、トーンカーブを見るとより正確に判断できます。
SILKYPIXでのトーンカーブの確認方法は下記のとおりです。
①「トーンカーブ」メニューを選択
②「トーンカーブ」ウィンドウを見ながら調整実施
左端にカーブの山がくっついていると、黒つぶれ、右端にカーブの山がくっついていると、白飛びしていることを示しています。
▼黒つぶれが起きている状態
▼白飛びが起きている状態
また、SILKYPIXには白飛び黒つぶれを画面上に表示してくれる便利な「警告表示」メニューがあります。
このメニューを選択すると、次の図のように、白つぶれや黒飛びしている箇所が点滅するようになります。
レタッチの際は、トーンカーブや警告表示を確認しながら、白飛び、黒つぶれを回避するようにしていくとよいでしょう。
4.まとめ
この記事では
- SILKYPIX(シルキーピックス)の基本の使い方
- SILKYPIX(シルキーピックス)のさらに便利な使い方
- SILKYPIX(シルキーピックス)を使う上での注意点
をお伝えしました。
SILKYPIXは、この記事でご紹介した手順に従うだけで、初めての方でも簡単にレタッチを行うことができます。
また、67種類もの豊富なプリセットや部分補正を使うと、より個性的な出来栄えに仕上げることもできます。
そのためSILKYPIXは初心者から上級者までおすすめしたい写真編集ソフトです。
初めてのRAW現像やレタッチに挑戦したいと思っている人は、初心者からすぐ使えて、中上級者になっても頼れるSILKYPIXをぜひ検討してみてください。
30日無料期間があるので、一度使ってみて自分に合うか検討してみるといいでしょう。