ソニーフルサイズ機のどれに付けるのもおすすめできる、3rd partyレンズを3本ご紹介します。
1.ソニーEマウントにおすすめの3rd partyレンズ3本
ソニーEマウントにおすすめの3rd partyレンズは次の3本です。
それぞれのレンズの紹介とおすすめする理由を述べたいと思います。
SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN|大三元なのに小型
対応フォーマット | フルサイズ | 最大撮影倍率 | 1:3.3 (W) – 1:4.6 (T) |
焦点距離 | 28-70mm | フィルター径 | Φ67mm |
開放絞り | F2.8 | 手振れ補正 | レンズ内手ブレ補正方式 |
最小絞り | F22 | サイズ | Φ72.2 x 103.5mm |
絞り羽根 | 9枚 | 質量 | 約470g |
最短撮影距離 | 0.19m(W)~0.38m(T) | 発売時期 | 2021年3月 |
①F2.8通し標準ズームとして最も小型軽量
②価格の安さ
それぞれ見ていきましょう。
①F2.8通し標準ズームとして最も小型軽量
F2.8通しのズームレンズと言えば、大三元とも呼ばれる憧れの最高峰レンズです。その明るさと写りの良さと引き換えに、通常は高くて重くて大きいというのが常識でした。
このレンズはその常識を覆す、超小型軽量の大三元レンズです。
例えばソニー純正レンズと比べると、24mmスタートとより広角ではありますが、ソニーEマウントのFE 24-70mm F2.8 GMが、サイズΦ87.8×136、質量886gという大きさです。
今ご紹介しているシグマのこのレンズは重さで言うと約半分の470gです。どれくらいこのレンズが驚異的か分かると思います。500gを切ると、つけっぱなしにして日常使いにもできる重さです。
また、F2.8という明るさがあるので、暗い室内での撮影や子供やペットなど動く被写体の撮影にも最適です。
これまで敷居の高かった大三元レンズですが、初心者の方にも十分おすすめできるレンズです。
②価格の安さ
サイズもさることながら、特質すべきは価格です。
約11万円と純正レンズの半額以下です。
価格の面でもなかなか手の出なかった大三元レンズですが、このレンズはステップアップとして2本目、3本目としても入手しやすい低価格になっています。
大三元レンズの写りを気軽に試してみたい、という方におすすめです。
苦手なシーン・物足りないところ
F2.8通しという明るさは魅力的ですが、はやり1本で使うには28mmスタートという広角側の焦点距離には物足りなさを感じるかも知れません。
24mmというWIDE画角スタートというのが最近の標準ズームレンズのスタンダートです。
28mmはスナップやポートレートには十分使えますが、風景・夜景や集合写真となるともっと広く撮りたいことが多くなるでしょう。
これを1本で使うというよりは、広角のズームや単焦点レンズとセットで持ちだすのがよいです。
またE-mountはオープンマウントということで、最低限の動作保証はされていますが、最新ボディでの新機能などには非対応なことが多いです。
例えば2021年12月に発売されたα7IVのアクティブ手振れ補正やブリージング補正には十分対応していないので、特に動画撮影をされる方は純正レンズを選んでおくことをおすすめします。
TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2|写り重視小型大三元
対応フォーマット | フルサイズ | 最大撮影倍率 | 1:2.7 (WIDE) / 1:4.1 (TELE) |
焦点距離 | 28mm-75mm | フィルター径 | Φ67mm |
開放絞り | F2.8 | 手振れ補正 | なし |
最小絞り | F22 | サイズ | Φ75.8 × 117.6mm |
絞り羽根 | 9枚 | 質量 | 約540g |
最短撮影距離 | 0.18m(W)~0.38m(T) | 発売時期 | 2021年10月 |
①写りの良さ
②小型軽量低価格
それぞれ見ていきましょう。
①写りの良さ
先ほどおすすめしたSIGMAのレンズに対するこのレンズの有利な点は、ずばり写りの良さです。
F2.8通しの大三元レンズに求めるものは、画質だという人が多いですが、そういう要望に応える仕様になっています。特にtele端75mm側のMTF性能は周辺まで高い解像性能を保っており、驚異的です。
画質重視という方には、こちらのTAMRONレンズをおすすめします。
またこのレンズはフォーカスにリニアモーターを採用しており、AF速度が速いことも特長です。子供やペットなど動きものを撮る方にもおすすめします。
②小型軽量低価格
写りの良さは特筆するものがありますが、それでいて十分小型軽量、低価格に収めていることもこのレンズの特長です。
SIGMAには見劣りしますが、それでも重さは550gと、日常使いにも許容できる範囲です。
価格も純正大三元レンズの約半分。初心者の方にもおすすめですし、特にF2.8特有の画質を求める方にマッチするでしょう。
苦手なシーン・物足りないところ
SIGMAレンズ同様広角側が少し物足りなく感じるかもしれません。
すでに24mmあたりのレンズを持っている方には、十分おすすめできます。
また、こちらもSIGMA同様3rd partyということによる機能制限もありますので、そのあたりを理解した上で多少割り切って使う分にはよいでしょう。
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD|小型軽量便利ズーム
対応フォーマット | フルサイズ | 最大撮影倍率 | 1:3.1 (WIDE) / 1:3.8 (TELE) |
焦点距離 | 28-200mm | フィルター径 | Φ67mm |
開放絞り | F2.8-5.6 | 手振れ補正 | なし |
最小絞り | F16-32 | サイズ | Φ74 × 117mm |
絞り羽根 | 7枚 | 質量 | 約575g |
最短撮影距離 | 0.19m (WIDE) / 0.8m (TELE) | 発売時期 | 2020年6月 |
①幅広いシーンに対応できる広い焦点域
②小型軽量
③画質
それぞれ見ていきましょう。
①幅広いシーンに対応できる広い焦点域
広角28mmから望遠200mmまで1本で対応できるというのがこのレンズの魅力です。風景、スナップ、ポートレートから屋外スポーツまで何でも撮れるレンズです。
特に広角端の28mmはF2.8という明るさを持っているため、大三元レンズと同じような明るさとボケを楽しむことができます。
1本で広角から望遠まで対応できるため、ほとんどこれ1本で変えなくてすむでしょう。
旅行など荷物を増やしたくない場面で活躍します。
②小型軽量
いわゆる便利ズームと呼ばれる高倍率ズームレンズは、重く大きくなりがちでした。ソニー純正レンズの24-240はサイズΦ80.5 x 118.5、質量780gという大きさです。
焦点距離の範囲が狭いとはいえ、200gの差は持ち運びやすさに影響します。
特に広角側を割り切っても持ち運びやすさを優先したい、という方におすすめです。
③画質
便利ズームとよばれる高倍率ズームレンズは、1本で済ませられるため便利ではあるけれど、画質はそれなり、とうのが定説でした。特に周辺画質は急峻に落ちることが多かったです。
ところがこのレンズは便利ズームとは思えないほど画質が上がっています。
特に望遠端の周辺までMTF 70%以上を保っているのは高級な大三元レンズや単焦点レンズにも匹敵するレベルです。
画質に妥協することなく使える便利ズームといえるでしょう。
苦手なシーン・物足りないところ
ここまでなんにでも使えそうな便利ズームですが、欠点があります。それは明るさです。
このレンズは焦点距離を変えるとF値も変化します。その対応は下記のとおりです。
焦点距離 | 28mm | 35mm | 50mm | 70mm | 85mm | 100mm | 135mm | 150mm | 200mm |
F値 | F2.8 | F3.2 | F3,5 | F4.0 | F4.5 | F4.5 | F5.0 | F5.6 | F5.6 |
F2.8は28mm広角端だけで、それ以降F値が落ちていきます。
特に70m以降はF4を超えてくるため、中望遠以降は暗さが気になってきます。明るい日中であれば問題ありませんが、薄暗い時間・場所や夜景、室内などは手持ちで撮るのが難しくなります。
また28mmスタートの広角側も物足りなく感じることがあるでしょう。
風景や集合写真など広く撮りたい場面で割り切ることになります。
その場合は、1本追加で広角の単焦点レンズを持って行くとよいでしょう。
2.まとめ
この記事では、ソニーEマウントユーザーへおすすめの3rd partyレンズをご紹介しました。
📷SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN
⇒超小型軽量の大三元ズームレンズ
📷TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
⇒SIGMAとTAMRONの性格の違う標準ズーム大三元レンズ
📷TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
⇒TAMRONの小型軽量便利ズーム
3rd partyレンズのいいところはなんといっても価格が安いことです。
性能やbodyとの相性は純正に及ばないことがありますが、そのあたりを理解して納得した上で使ってみる、というのはおおいにアリだと考えます。
3rd partyレンズをまずは使ってみて、物足りない点が出てきたら他のレンズを追加したり、買い替えたり、というステップの踏み方でもいいでしょう。
今後も純正、3rd party問わず、撮影シーンごとにおすすめのレンズを紹介していきたいと思います。
購入前にちょっと使ってみたいという方は、カメラやレンズをレンタルできるサービスを利用すると機材の良さを実感できます。